これは数年前に岩手大学のネットニュースに連載したものです。
Date: Thu, 26 Oct 1995 03:05:50 GMT
>さきほど 情報処理センターの前で教育学部のS野先生に会いました。
>
>近いうちに海外出張されるそうです。
>イギリス、カナダ、アメリカでインターネットが
>人文社会科学の研究者によって、どのように使われているか
>調査して来るとのこと。
>帰国してから、岩手大学に最新の話題を持ってきてくれそうですね。
>
>私もこれまでに数名の日本人研究者から海外出張の折りに
>電子メールをいただいたことがあります。
>文部省学術情報センターの電子メールを使ったり
>科学技術庁の筑波ネットの電子メールを使ったりしました。
>
> そして現在は岩手大学のメールサーバのお世話になっています。
>
>私の電子メールも純粋な英文だったり、あやしげな英文+ローマ字文章
>になったりと、意思が通じればいいというものでした。
>最近は端末に日本語の環境設定をした研究者もいて、日本語での
>電子メールのやり取りもありました。
>
> S野先生から送られてくる電子メールが楽しみです。
>
>S野先生
>おめでとうございます。
>そこで、この機会に留学ということを書いてみようと思います。
>参考にしたのは「留学の思想」
>この本はドイツ留学をしたドイツ語学者を中心とした
>若い人たちの集まりが書いたものです。
>ベルギーに留学していた秋田大学の先生に、この本を探して
>1冊送ったら喜ばれました。
○留学神話の崩壊(シンポジウム)
遣隋使から現代の留学まで
留学という言葉は日本にしかないのではないか。
歴史的には7世紀の初めに遣隋使に随行して行った留学生が最初。
江戸時代の鎖国にも長崎留学があった。
明治になって多くの留学生が海外でいろんな知識を吸収してきた。
伝統だと思うのは、長安に着いた遣隋使の気持や明治の留学生が
初めて欧米に着いた時の気持は痛いほどよくわかるから。
一方、留学神話の崩壊ということが言われはじめている。
日本はもう西洋から学ぶものはない。
これまで連綿として続いてきた留学という概念はもう形だけのものに
なってしまったという考え方がある。
しかし一体、本当に留学は形だけのものになって
すでに実質はなくなってしまったのか。
編集責任者の松本道介氏は現在中央大学教授です。
(NS叢書 留学の思想、三修社)
NS(Neue Stimme)