インターンシップ

私はインターンシップ制度導入にかかわりあっています。
その資料をメモとして書いておきます。

インターンシップを推進していく上で、学校側、企業側からの要望や、
求められている支援策として、以下の事項があげられる。

1.学生を派遣する学校・学部の拡大及び受入企業の拡大
2.派遣側、受入側による連絡協議会等の設置
3.受入企業の業務概要パンフレットの作成と学生への事前配布
4.十分な事前準備期間
5.受入側となる企業向けの「実施マニュアル」の提供(特に中小企業に対して)
6.実習中の災害保障制度の確立
7.企業に対する助成制度(受入・実施に伴う費用負担の軽減)

学生がインターンシップを体験することの意義は下記のようであろう。
社会勉強になる。
就職して社会に出るときの自覚を促す。
大学で学ぶ理論が実際に役に立っていることを知る。
企業は利益を追求するということを知り工学の意味を実感できる。

アルバイトではなく自分の社会勉強なのだから、交通費、昼食代ていどしか 期待してはいけない。日当はもらうべきではない(常識?)

企業のインターンシップへの期待
優秀な人材との出会い
大学・学生への企業PRの場
大学との関係づくり
職場の活性化
産学共同活動への貢献

企業の感想
学生の関心を事前に出してもらい、それを考慮しながら受入れのカリキュラム を組むのがよい。
毎日学生からレポート提出などで感想意見を聞きながら、指導するのがよい。
大学で学ぶんだことと直接関係なくても企業体験をすることに意義があると思う。

学生の感想
技術的なことで問題意識があったが、納得できたので勉強になった。
大学で学んだ知識が実際の場面で役に立つものだということを確認できて、今後の大学での勉強に実が入るようになった。
事前に会社のパンフレットなど見てから企業を選びたかった。
工場体験なら1日中する必要がないと思った。色々な仕事をさせてほしかった。

評価の一例(実は1999年1月に5日間だけ試行してみました) (1)学生の参加動機と感想 (参加動機) ア 社会・会社がどんなものか実体験したい、大学と企業の違いを体験したい イ ものづくり、製品づくりの現場を体験したい   製品開発や製造工程、品質管理システムをみたい   ISO14000シリーズに対する企業の取組をみたい ウ 将来の就職活動に役立てたい、意識を高めたい 工 コスト面を意識した研究に役立てたい オ 産学の技術交流を行いたい (事後の感想) ア 学生と社会人の仕事に対する認識の違いを体験できた イ 大学と企業との考えの違い(プロセスと結果)、企業における個人の   役割分担の明確化、明確な目的意識を実感した ウ 製品づくり、ものづくりの社会貢献、素晴らしさを体験できた エ 厳しい品質管理体制、最近の半導体プロセスをみることができた オ 自分の今後の研究開発等将来のキャリアに役立つ (大学の評価) ア 大学と企業の違いを実感できる良い機会となった イ 就職に対する意識を高めることができた (2)企業の評価 ア 学生にとっては、社会・企業の実態経験が出来る良い機会となった   特に、ものづくり、生産現場を肌で体験してもらうことができた イ 大学(学生)に対して企業のPRができた ウ 産学の相互交流、理解の促進するきっかけになり、有意義 工 学生の受入れにより、職員が刺激をうけ、仕事の再認識、活性化につなが   った、また、若い考え方等の情報がえられた オ 短期実習カリキュラムの編成等を通じて指導担当職員の向上が図られた カ これを契機に、学生が工業界で活躍すること、更に県内就職者が増え、本   県の産業振興に寄与することを期待する (4)今回のモデル事業に参加しての問題点、 受入体制について  学生側の意見  ・会社の受入れ体制の整備が必要  ・受入れ体制が部署によって違っていた  企業側の課題  ・社内の実習担当者の指導方法の向上をはかる必要がある  ・個別指導の期間が長くなると中小企業では対応が困難な面もある 勤条務件について  学生側の意見  ・非常に良かったという意見もあるが、長時間の作業体験は―考もとの意見あり 時期期間について  学生側の意見  ・夏休み、2週間程度が望ましい  ・全体的にスケジュ−ルに余裕がない  企業側の課題  ・企業と大学との事前調整が必要 カリキュラムについて  学生側の意見  ・綿密なカリキュラム編成が必要  ・カリキュラムの事前周知が望ましい  企業側の課題  ・カリキュラムの事前検討が必要  ・学生の要望、専攻を考慮したカリキュラムの編成が必要  ・モデルカリキュラムの作成が必要 事故対応について  ・民間の障害保険をかけておくことが必要 マッチングについて  学生側の意見  ・会社を選択する際に、会社の業務内容を知っりたいからパンフレットなど必要  企業側の課題  ・学生の専門、専攻分野と企業の業務が合致するのが望ましい   (企業体験が貴重なのだから、業種、専門性にこだわらなくてよいという意見あり)  ・学生の理想と企業の考えていることのギャップがある場合、そのインターンシップを   中止する道も用意しておいたほうがよい(大学側のフォローが必要) (5)来年度実施する 合の意見・要望 (1) 学生から大学、企業へ ・学生→大学 ア インターンシップの単位認定(選択制)をしてほしい イ インタ−ンシップ制度のPRをしてほしい ウ インターンシップの時期の変更、期間の延長をしてほしい エ 事前講習会を実施してほしい ・学生→企業 ア 多くの企業がインターンシップの受入れをしてほしい(県内に限らず全国どこでも) イ 綿密なカリキュラムを編成し実施していただきたい  (テ−マの設定、学生の意見を聴取、研究開発等) ウ カリキュラムを事前に教えてほしい エ マッチング段階では会社の内容を詳細に教えてほしい (2)大学から学生、企業へ ・意欲を持って主体的な取組を希望する ・無理のないスケジュールと受入れ体制の整備をお願いしたい (3)企業から大学、学生へ ・企業→大学 ア インターンシップの意義を指導していただきたい イ 大学では、インターンシップでどのような事を学習、実習させたいのか、   位置づけを明示していただきたい ウ 将来の進路、雇用などにつなげてほしい、考慮いただきたい エ インターンシップ終了後のレポートについて、企業にも提供されたい ・企業→学生 ア 目的意識を明確にして参加してほしい イ 事前の準備、予習をして参加してほしい ウ 自分の将来の就職、進路に役立ててほしい インターンシップは意義のあることだが、 学生がその目的を明確に持っていないとムダになる可能性もある。 義務感ではない、主体性をもって取り組むことが大切である。

平成12年夏(職業安定所)の場合