ドイツのジャガイモ料理について


ジャガイモはドイツ固有のものではありません。
そもそもジャガイモは、1526年の征服者ピサロがスペイン本国に報告した記録あり。
その後、南米からスペイン人がスペインに持ち帰り、
やがてスペインから回りの国フランス、イタリア、ドイツへと伝わったのです。
(イギリスへは、1586年ころ別の経路でバージニアから輸入されたといわれる)

ヨーロッパに入ったジャガイモは、最初はその花などが観賞用として扱われ、
ルイ16世の王妃(マリー・アントアネット)は帽子の縁にジャガイモの花を飾ったという。

ジャガイモが食用作物として本格的に栽培されるようになったのは、17世紀のアイル
ランドにおいてであるといわれる。

ジャガイモは小麦やライ麦などの穀類の数倍の収穫高を示すことがわかってから
18世紀には大陸諸国にも広く普及し、フリードリヒ2世(大王)が、食料としての価値を
認め、ポンメルンとシュレジエンに栽培させたことはよく知られている。

フランスには、七年戦争(1756‐63)でプロイセンの捕虜となって食糧としてのジャガイモ
の価値を知ったフランス人捕虜からフランスに広まった。

ドイツ人植民者が持ち込んだジャガイモを見て、ロシアのツァーリも国有地農民に
ジャガイモの強制植付けを命じたが、これに反対する農民の大規模な暴動が起こった。

日本にはジャカルタから伝わったから、ジャガタライモと呼ばれた。

私が日本のビアホールでよく注文するジャーマンポテトgerman potato
記憶では、スイカの薄切りみたいにスライスしたジャガイモを炒めたもの
(どちらかというと揚げたもの) いや、できあいをオーブンで温めているものもありそう。

ジャーマンポテトに似ているのが、フレンチポテト(ポテトフライ)
フレンチポテトはドイツのM(世界中にあるファストフード店)でも、
Pommes frites(ポンフリッツ、ポンフリ フランス語) という名で売られています。

ドイツのジャガイモKartoffel は、炒める、焼く、揚げる、煮る、つぶすと
何でもありのようです。

私が思うには、ジャーマンポテトは揚げる(ポテトフライ)だと思うが、
ドイツで食べたBratkartoffeln は文字通りbratenなら 炒める料理が多かったと思います。
(辞書には braten 焼く、あぶる、いためる、バタ焼きにする)

あんこさんの料理Bratkartoffeln は、「ベーコンかハムと玉ねぎを炒めたものに
ジャガイモの薄切りを加え更に炒め塩こしょうしたもの」です。
ちなみに辞書にはBratkartoffeln「ジャガイモをゆでて炒めたもの」と載っている。
あんこさんはさらに、オプションでベーコン入り、ハム入り、玉ねぎ入り、等と
いうのも考えられるのかもしれないと書いている。

ライベクーヘン あれはクリスマス市のとき食べた記憶が。
あんこさんによると、「ライベクーヘン」は、じゃがいもパンケーキのことです。
生のじゃがいもをすりおろして水を切り、卵、小麦粉、玉ねぎのみじん切り、
塩こしょう、などを混ぜてパンケーキのように焼く。
ドイツではこれに甘いアップルソースをつけて食べます。

そして、これは日本のM店で朝8時過ぎの開店の時、ポテトフライが揚げる準備が
できないとき、代わりに出てくるものに似ていると私は思うのですが。
油たっぷりのコロッケ状のもの。(私の偏見かな)

要するに、これが○○という料理であると決まったものはない。
料理する人の好みとかセンスで、色々なバリエーションがある。
おいしくジャガイモ料理が食べられたらそれでいいのではないかと思うのです。

皮つきのまま蒸すかゆでるかして、バター、塩などつけて食べるのも素朴な味。
アルミホイルに包んで焼いたジャガイモにバターをのせて、バターが解ける
おいしい「じゃがバター」居酒屋の定番。

クリスマス市のときによく見られるのはレープクーヘン
ライベクーヘンとは全然違うお菓子ですが。
はつみさんのHPで紹介されている
カートッフェル・レープクーヘン
この場合、材料は卵、ゆでてマッシュしたじゃがいも、
粗挽きアーモンド、レモンとオレンジのアンジェリカ、
砂糖、小麦粉、ベーキングパウダー
そしてレープクーヘン・ゲビュルツ(シナモン等の香辛料)
作り方は実に簡単。
全てを混ぜて200度のオーブン中段で20分ほど焼けばできあがり!

はつみさんのライベクーヘン
作り方
(1)皮をむいたじゃがいもをすり下ろす。
(2)みじん切りにしたタマネギと卵を加えて混ぜる。好みで塩こしょうをする。
(3)フライパンにたっぷりめの油を入れる。(タネがぎりぎり油に浸らないくらい)                              
(4)あたたまったら、おたまで一杯ほどタネを流して平らに形を整える。
(5)中火で焼き加減を見て、強すぎれば時々弱火または火から遠ざける。
(6)焦げいろがついたようならひっくり返して反対側も焼く。
(7)焼き上がったライベクーヘンの油を切ってから皿に盛る。
(8)アップルソースを添えるとドイツ風。

油を使った肉料理(ステーキや、パン粉をつけて揚げたシュニッツェルなど)には
油を使ったジャガイモ(ポテトフライなど)のつけあわせで、
油を使わない肉料理(煮込んだ肉など)には 油を使わないジャガイモ
(マッシュトポテトなど)のつけあわせというのが原則らしい。

 

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