地震に備える その3
[第11回]
防火・防災の心得
  かなり実際的な話です
わが家と職場の防火対策
○初期消火のための準備を
火災が出たとき大切なのは、1に通報、2に避難、3に初期消火である。
しかし、地震の時の火災では、消防車はすぐ来てくれない。
いざという時、自力で初期消火ができるよう準備しておきたい。
○三種の神器を備えておく
初期消火のとき頼りになる三種の神器 消火器、水、バケツ
これらが、いつでも使えるようになっているか。
1 消火器 
  置く場所は火災が発生しやすい台所など、目につき取り出しやすい
  場所に置こう。
  消火器の使用期限は通常8年間だ、古くなると機能が低下するから
  取り替えよう。
  (私の部屋の外に昔は消火器が置いてあったが、今見るとトイレ前
  に置いてあります。平成7年9月に点検済みシールが貼られていた) 
  国の検定基準に合格した消火器には合格証が貼られている。
  合格証がないものは失効消火器として使用が禁止されている。
  こうした失効消火器や古くなった消火器の処分は、ゴミとして
  捨てないで、購入したところで引き取ってもらおう。
  (消防署とまぎらわしい名前の団体名で、必要ない消火用具を
  売っている団体があるので気をつけましょう  ^^)  )
2 水
  頼りになるのが風呂の水、消火だけでなく非常時には貴重な水となる。
  常に6〜7分目ほど水を溜めておき、生活用の水として利用したい。
  トイレのタンクの中の水もいざというとき役に立つ。
  (この表現は阪神大震災の後で、いろいろな識者が発言していた。
  しかし、日常では実際問題として、風呂水がいつもあると風呂場は
  湿気がぬけない、つまり壁や窓がカビる。また幼児が溜めた水槽に
  入り込んで水死する場合もある。だから、その家の事情によるでしょう。
  地震で一時的に水道は出るが、水道管が破裂したり修理対策などで
  数時間後か数日後に、意図的に断水されることがあるので、そういう
  ときに自宅の浴槽に一時的に水を蓄えておくことは合法的な自衛作と
  いえよう)
3 バケツ
  玄関のわきや台所などにバケツを置いておきたい。
  部屋のコーナーに置ける三角バケツは便利である。
○参加すれば必ず役立つ防災訓練
防災についていくら知識があっても、いざとなるととっさに行動できない
ものである。
そこで地域などで防災訓練が行われる時は積極的に参加しましょう。
消火器を使った初期消火の訓練になるばかりでなく、災害に対する
心構えができる。
(自動車の運転や水泳やダンスは理屈だけでは体が動かない。
とっさに動けるように、ふだんからトレーニングが大切)
初期消火の際、近所の協力は不可欠。都会では近所とのつきあいも希薄に
なりがちだが、こうした機会を利用して近所とのコミュニケーションを図り
災害時に備えるのはいいことだ。
○職場・研究室での防火対策
消火器の使い方をマスターして、いつでも初期消火にあたれるよう
準備しておけば安心。
重要書類、貴重品など、非常持ち出し品を確かめておき、いつでも
持ち出せるようにしておきましょう。
     ☆       ☆      ☆
火災のビデオを見るのも、一種の疑似体験ではあるが、認識を深めるのに
役立つものです。
工学部の教室にビデオ機器が設置されることが多くなったので、講義のとき
ビデオをもっと見せましょう。
[第12回]
2次災害を防ぐ初期消火
  かなり実際的な話です
○3〜5分が初期消火のチャンス
火は燃え移ってもすぐに燃え広がらない。一瞬ある「間」が初期消火の
チャンス。出火から炎上、天井に着火するまでのおよそ3〜5分が
勝負である。
○初期消火の心得5カ条
1 大声で「火を消せ!」と叫ぶ (回りに知らせ応援を求める)
2 火元は何かを見極め、できるだけ火元に近寄って消す
3 消火器や三角バケツにとらわれない
  とっさに消火器具が取り出せないなら、冷蔵庫の牛乳やジュース、
  ポットのお湯などを使って火を消すこともできる。臨機応変に
  すばやく判断する。
  (まぜっかえすようですが、ビールをかけてもよいと思う。
   しかし、中国の白酒やウォッカ、琉球泡盛など50度以上の酒
   は燃料になるから、かけないようにしましょう)
4 風上に立って消火活動をする。出口の確認を忘れずに
5 無理をしない
  火が天井に届くまでに広がったら素人の手に負えない状態なので
  すみやかに避難したほうがよい。
○火元を知る
何が燃えているかで消火方法も違ってくる。
a てんぷら鍋
  ・まず元栓を閉める。
  ・消火器で消す場合、粉末消火器なら鍋の全面をおおうように、
   強化液消火器の場合は鍋のふちにあてるようにかける。
   火が消えたら鍋に大きなふたをして空気を遮断する。
  ・大きめのふきんか厚い布を濡らしてしぼり、鍋全体をすっぽりと
   おおうようにする。
  ・水をかけたり野菜を投げ入れたりするのは、逆に火の勢いを
   強めてしまうので禁物。
b カーテン
  ・カーテンは火の通り道となって天井に燃え移りやすい。したがって、
   火がついたら、すばやくカーテンレールからひきちぎって下に落とす。
  ・床に落としたら炎が小さければ足で踏み、火が強いときは座布団や
   衣類などでたたいて消す。
c ふすま、板壁、家具など
  ・火が小さければ燃えているところに水をたたきつけるようにして
   かけて消す。
  ・ふすまや壁などが燃えている場合は、燃えている上の部分に狙いを
   つけ、半円を描くように広めに水をかける。天井への燃え上がりを防ぐ。
  ・障子やふすまは火が小さければ押し倒し、足で踏み付けるか、座布団
   などでたたいて消す方法もある。
  ・残火や余熱で再燃することもあるので、何度も水をかけ完全に消火する。
d 石油ストーブ
  ・消火器で燃えているところへ直接放射する。
  ・毛布や布団をかぶせる。
  ・バケツの水をストーブの上から一気にかける。
e 電気器具や配線
  ・感電の危険があるので、ブレーカーを切る、コンセントを抜く、
   スイッチを切る、の順で電流を断つ。
  ・強化液消火器での消火が最適。水を使うと感電する恐れもあるので
   注意したい。
     ☆       ☆      ☆
とっさの場面だと、なかなか動けない。
一度経験するとよいのだが。
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