地震に備える その2

[第6回] 職場の中を点検する (参考文献ではオフィスの中の点検、となっていましたが大学向けに アレンジします) ○防災はまず職場から  (大学院の学生さんも研究室が職場です) 「忘れたころにやってくる」のが天災 だから「備えあれば憂いなし」 大学も教育研究環境を守るため 教職員、学生の命を守るため、防災意識を高めよう。 ○防災マニュアルをつくろう 防災マニュアルには、地震発生時の非常通報・連絡体制、消火や避難の方法、 救援・救護の方法、大学の財産管理と復旧の方法、そのほかさまざまな対策を 取り決めておく。 消防法では、収容人員50人以上の事業所などには「防火管理者」を配置 する必要がある。防火管理者は火気取り扱い責任者や避難誘導員を定めるほか、 地震対策の作成、通報装置・消火機具の点検整備など災害予防対策をまとめた 「防災計画」を策定するとともに、「防災訓練」を計画、実行することが 義務付けられている。     ☆       ☆      ☆   工学部の安全マニュアルが現在作成中です。 実験等で事故を起こさないよう、マニュアルを用意しているわけです。 化学の実験では実験者に危険な場合もありますから。 材料試験でも大型載荷装置を使っているとき、あぶない場面もあります。 その中に地震防災の項も入っています。 消防法で決められている「防火管理者」や「火気取り扱い責任者」、 「避難誘導員」なども、各学科で定められています。 ふだんから慣れておくと、いざというとき、うろたえないようです。 ある工場では、コップ一杯のトマトジュースを服に浴びせかけたりして その恐怖のシミュレーションを行い、血に慣れさせ いざというとき冷静に処置させるよう教育するそうです。 シートベルト無し有りの条件で、衝突実験をビデオで見せたり、体験させる のも、シートベルトの意義や交通事故に対する意識を深めるためです。 WWWで恐怖のシミュレーション体験を見せられるなら 迫力満点で説得力もありますね。 [第7回] 職場の中を点検する (参考文献ではオフィスの中の点検、となっていましたが大学向けに アレンジします) ○普段の環境整備が防災の決め手 研究室ごとの防災チェック ・窓ガラスや看板、壁、塀などの転倒、落下防止 ・オフィス家具の転倒防止 ・消火避難のための器具の点検、整備 ・非常用品の準備  (食料、飲料水、救急衣料品、懐中電灯、携帯電話、ラジオ、乾電池、   ヘルメット、軍手、作業着、ロープ、自転車、オートバイなど) ・飲料水や電源、トイレ代替手段など併用施設の非常対策 ・コンピュータなどのOA機器などの安全対策 ・避難・誘導ルートの常時確保と器具・装置の点検整備 あらかじめ書庫や棚を配置するとき(レイアウトのとき)、たとえ窓ガラス が割れても、またガラスが床に散らばっても大丈夫なように、机の配置に 工夫するとかして、ガラスによる2次災害防止について十分、配慮しておく 必要がある。 ガラス製品は倒れても割れないような場所に置くとか、割れるおそれの ある場合は、あらかじめ片付けておいたほうがよい。 オフィス家具やロッカー、書棚などが転倒しないように 金具や針金で壁や天井に固定させるなど、転倒落下防止対策を十分に ほどこす必要がある。 特に吊り下げ式の照明器具は落下の危険性が極めて高いので固定が必要だし、 たとえ落下しても2次災害が起きないよう、常に職場環境を整備しておくことが 肝心である。 なお、転倒防止具はデパートの「防災品コーナー」などで販売している。     ☆       ☆      ☆   阪神大震災でも、某大学の研究室で倒れたロッカーに下敷きになって 死亡した学生もいたようだ。 そうでなくても大怪我をした人もいた。 三陸はるか沖地震でも、本学で化学薬品の瓶が倒れて中の液体が床にこぼれた 飲料アルコール(日本酒)の酒ビンが倒れて中味が床に流れ出た 話も聞きました。   おお、もったいない

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