地震に備える

このシリーズ ”地震に備える”は、
自分の講義のため、講義を受ける学生のためのものです。
講義などにも使うので、ところどころ専門用語が出てきますが...

参考文献は「大都市「防災」マニュアル
 地震・台風・津波・火災からあなたを守る、PHP研究所」です。
この本をもとに、私の知識やコメントをつけ加えています。
このシリーズは以前に岩手大学のネットワークニュースに連載したものです。
それもとに、少し直して掲載します。

[第1回] ○家の中を点検する 基本は日常の整理整頓    家具などが倒れて危険にならないよう普段から対処しておく。  いざという時必要な工具類、非常持出袋など、すぐ取り出せるようしておく。 ポイント ・部屋の出入口付近に倒れやすいものを立てかけない。 ・部屋の出入口付近に棚を作らない。 ・棚や家具の上に本や箱などを重ねない。 ・ガラスなど割れると危険な置物は、部屋の奥に置く。 ・いざというとき脇に寄せられるように、テーブルの上と下にものを置かない。 ・収納したものが飛び出して来ないように、押入れの中も整理しておく。 ・収納したものが崩れ出ないように、タンスの中も整理しておく。 ・本や雑誌を床の上に重ねて置かない。 ・小物類は散らばらないようにまとめて、ふたのない箱などに入れる。 ○家具の設置をチェックする 家具の下敷きになって死なないために 居間  テレビが飛んできて直撃しないように、テレビ台のキャスターを固定し  さらにテレビを壁などに固定する。  本箱、サイドボード、食器棚の扉が観音開きのものは留め具を付け  大きな揺れで扉が開き、中のものが飛び出さないようにする。  また転倒防止のため、壁や柱に固定する。  (作り付けの家具は家の骨組と一体となって地震に抵抗するから   丈夫なはずです) 寝室  背の高い家具はできるだけ置かない。  どうしても置くときは必ず壁や柱に固定する。  また、ものが落下してこないように家具の上には何も置かない。 キッチン  背の高い冷蔵庫は壁や柱に固定する。  (阪神大震災のときでも冷蔵庫はキャスターがついているから  あんがい倒れなかった、しかし部屋の反対の隅まで移動してきたそうな)  (床が絨毯敷かフローリングかで違う) みなさんの所は地震が来ても大丈夫ですか。 これを書いている私の研究室も、本や研究資料を積み重ねて あぶないことだらけ。 三陸はるか沖地震のとき、研究室に戻ってきてみると 積み上げた本の山は、なんとか倒れないで残っていました。 しかし、PCを載せているテーブルの上に置いたFDのプラスチックケースは 床に転がり落ちて、中からFDが散らばっていました。 摩擦の影響が大きかったようです。 (テープルとプラスチックケースの間の摩擦係数が小さく 滑ってしまったのでしょう、きっと) (本の山が崩れないで残ったのは、本と本の間の摩擦が大きかった ?) [第2回] ○家具の転倒防止  家具の安定性は、高さと奥行きの比率が10対4が目安。  すなわち、奥行きが4以下ならば転倒防止対策をする必要がある。  (図を書くと理解しやすいが、家具を長方形の図形で表すとする。   転倒に対する安定の式は    H:倒そうとする水平地震力    h:長方形の高さ    V:家具の重力(重さ)    b:長方形の底面の幅(奥行き)   とすると   転倒モーメント:H・h/2  ≦ 抵抗モーメント:V・b/2  )   極限の場合、倒そうとする地震力と抵抗しようとする力が釣り合った場合    b/h=H/V   今までの地震の記録では H=0.4V(0.4Wと表す本もある)より小さい

   タンスの図(力のつりあい)   つまり   地震時の水平力は構造物の重量の4割より小さい。   (最近までの設計では 2〜3割の範囲で設計していた)   (しかし阪神大震災では 4割どころか場合によっては10割近くの力が    作用としたと思われるケースもあった)      したがって、たいていの場合 地震水平力は家具の4割以下    というのは経験的なもの。    もっとすごい地震あったら、諦めましょう。タンスの下敷きになっても。 二段重ねになっている家具の転倒防止  上部と下部の間を金具で連結し、上部が落ちてこないようにする。  (連続性、一体性の確保 建築でいえば部材間の連結をしっかり作る  しかし、これもケースバイケースで、完全固定に近い状態なら  力がそこに集中して、被害を代表して受ける場合もある。  適当に遊びのあったほうが、力を逃がし下に伝えない場合もある。  いわゆる免震構造がそれである) 家具の上部を壁や天井に固定する  柱と家具をワイヤーで固定  L型ジョイントで固定  つっぱり棒で固定 家具の下部を補強する  家具の下の前の方にクサビ状のものを入れる  (後ろに反らせるようにする)  キャスターにストッパーを入れる 家具の扉を開きにくくする  観音開きの扉に注意する  留め具を取付ける  オープンストッパーを取付ける  (ある程度以上の力を加えないと開かないように、一組の金具を  扉と相手側に取りつける) 収納に気を配る  本棚や茶だんすなどは重いものを下にして、重心を低くする。  また、奥の方に重いものを置き、できるだけ前の方に倒れないように  する。  (重心を低くというのは柔道の選手) 引き出しにもオープンストッパーをつける  揺れが激しいと引き出しが一斉に前に飛び出してその重みで倒れたり、  飛び出した引き出しが避難の邪魔になる。  そこで、引き出しにも、オープンストッパーを取りつける。 本棚にはゴムバンドをつける  (たとえると本棚のシートベルトか)   

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