万葉集は日本人の心
およそ4500首のヤマトウタ
万葉集は20巻からなる。

生ける者 遂にも死ぬる ものにあれば この世にある間は 楽しくをあらな          大伴旅人 生きとし生ける者は いずれは死ぬという だから、この世にある間は 楽しく生きていたいものだ。 人生は楽しむためにある 万葉の昔から 人生哲学に気づいていた人はいた。 石麻呂に 我物申す 夏痩せに 良しといふものそ 鰻捕り喫(め)せ           大伴家持 石麻呂さんに 私はものを申し上げます。 夏痩せには「良い」というものですよ。 鰻を捕ってお食べなさい。 夏やせに ウナギが良い  とは 平賀源内の前にアドバイスする人がいた。 もののふの 八十娘子(やそをとめ)らが 汲みまがふ 寺井の上の かたかごの花         大伴家持 群をなして乙女たちが水を汲み さざめき、寺の井戸辺に咲くかたかごの花よ。 馬並(な)めて いざ打ち行かな 渋谿(しぶたに)の 清き磯廻(いそみ)に 寄する波見に         大伴家持 馬を並べ、さあ行こうよ 渋谷の清らかな磯辺に、寄せる波を見に。 石走る 垂水の上の さわらびの 萌え出づる春に なりにけるかも          志貴皇子 岩の上を ほとばしり流れ出る滝のほとりの 蕨が 萌え出すように天に向かって伸びてゆく 春になった! 不遇だった志貴皇子 だが 息子の白壁王(第49代光仁天皇)が即位 そして桓武天皇と続く。        万葉集 つづき