カニグスバーグ「クローディアの秘密」
Konigsburg: From the Mixed-up Files of Mrs. Basil E. Frankweiler
家では長女ゆえ自分だけよけいな仕事をいいつけられ不満のたまったヒロインは
とうとう弟をそそのかして二人で家出する話。
博物館に隠れて夜を過ごすなんて。
日本の博物館ならまず無理とは思うが、メトロポリタン博物館くらい広いと
できることなのかな。

どうして家に戻るか。挫折して帰らなければならなくのではなく
ヒロインの顔の立つような結末がほしい。
やはり作者はそのへんをうまくまとめている。

フランクワイラー夫人はなぜ貴重な天使の彫刻を競売に出したか。
それは
人が秘密をもっていたとしても、その秘密をもっていることを
誰も知らないとつまらなくなるものである。
そして、その秘密が何かということは人に知られたくないが、
秘密をもっているということは人に知られたいのだ。

>秘密をもつということは、とりもなおさず、これは私だけが知っている
>ということなので、それは私という存在の独自性を証明することになる。
>秘密を持つということが、アイデンティティの確立に深くかかわりあってくる。
(河合隼雄)

そういう意味の秘密なら
私にも秘密はある。

ところで作者の姓 Konigsburgまさにドイツから来たという姓である。
 Konigは0ウムラウトのウムラウトがぬけたのだろう。
 王様という意味である。
 burgはハンブルク、ローテンブルクそしてペテルスブルクなどでおなじみ。
ブルクの中にいるのがビュルガーでフランス語になるとブルジョワとなって意味が変わる。
ブルクの中で一番偉い人がビュルガーマイスター(市長)である。

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