地球物理学者 ヴェゲナー Wegener 1880−1930

 大陸が移動するという説を最初に唱えたのは、ドイツの Wegener ヴェゲナーだった。
彼は独創的なアイデアで、今世紀のはじめに、この説をうちたてた。
(アイデアそのものは彼以前にも発表した学者はいるが、具体的資料を示して学会で
発表したのは彼がはじめて)

その理由は、南アメリカの東側とアフリカの西側の海岸線の形がよく似ていること、
ペルム紀頃(約2億5000万年前)の氷河の跡や同じ種類の陸上動植物の化石が、
南アメリカ、アフリカ、インド、南極大陸などから見つかっており、
これらがひとつの巨大な大陸を作っていたとすれば、その分布がきれいに説明
できるからであった。

しかし、大陸を移動させる原動力が何なのかが説明できず、
やがてこの学説は忘れられてしまった。
(手塚治虫のジャングル大帝では、この大陸を移動させる力はアフリカにある
月光石に秘密があるとなっていた。手塚治虫の科学をとりいれる才能はたいしたもの。
1950年ころのことですから)

ヴェゲナーはベルリン生まれ。ハイデルベルク大学とインスブルック大学に学び、
ベルリン大学で天文学博士の学位を取る。
マールブルク大学の講師となり研究を続ける。そこで気象学者ケッペンの指導を受ける。
ケッペンの娘エルゼと結婚する。
彼の大陸移動説は、賛成する学者と反対する学者が半々であった。
44歳になってようやくグラーツ大学の気象学、地球物理学の教授となった。
自説の補強データを集めるためグリーンランドに調査に行きそこで死亡。