Faculty Development
Faculty Development 教育業績の評価 講演会に参加してきました。
・講師 早稲田大学非常勤講師 浅羽通明氏
・講演テーマ 大学を通過する人、残る人
大学を通過する人:卒業して社会に出ていく人、 残る人:大学に残り研究する人
簡単な講演メモ
要するに、これまでの大学教育はエリート養成の教育だった。
大学大衆化のとき 大学はおちこぼれ学生を相手にしないと生きていけない。
偏差値45の埼玉県の無名私大Sでの講義
「大学とは」のガイダンス3回分を分担 出席と感想文 私語なし
学生の聞きたい内容の講義をする
偏差値65の神楽坂にある有名私大Wでの講義
出席とらない 120人中40人出席 私語なし
成績評価は優か良 クレームをつける学生には答案を見せる
世阿弥「初心忘るべからず」 初心者の立場になれ 難解なプロ受けはやめよ
エリートはおちこぼれの気持ちはわからない
偏差値45の学生はどこで目をかがやかせるか、どこでそっぽを向くか
落ちこぼれ学生の需要がわかるところまで降りてゆくとはどういうことか
大学の先生にはそれは無理である
大学の先生はエリートである 研究者が研究者の卵を教えるのが従来の大学教育
研究者は、通過する者(卒業して社会に出る者)を教えるには不適
東大でも法学部、経済学部には卒論はない 卒論は研究者になる人のデビュー論文
東大文学約500人の卒業生の中2割弱が大学院進学
大学教授たちは、戦後の急激な大学増加時代に対応できず、少数講義の方式を変えなかった
大学は何のために行くのか
お免状のためのお勉強 これは日本の伝統
清水幾太郎の1946年5月「民主主義の啓蒙講演」に、明日はお免状がもらえるかと聞いた受講生
知識人という権威が与えてくれる「卒業証書」
学校に行っても百姓がよくできることはない ただ一寸えらくなったような気がする
私の講義は女子学生は全く選択しない
私の感想
明治の帝国大学は国家が必要なエリート養成機関だった。
卒業証書の意味 それは大きいものがある。
女子学生はまじめだから
授業料を全授業時間割るとひとコマ何千円という数字のトリックに騙されてはいけない。
大学の卒業証書、それは就職にも給料にも影響を与えるばかりでなく、
バブルがはじけて、少子化時代の大学はどうする。大衆化に対応し、学生のレベルに
女子学生はまじめだから
女子学生は出席をとり、講義らしい講義をして、私語を注意する先生が好き
エリートは落ちこぼれ学生の気持ちは理解できない。
挫折を感じた人が教師になるのが一番良いが、教師になるにはそうとう勉強しないとなれない。
エリート教師でも、能力の限界まで仕事をすると挫折感を味わう。その挫折感をばねに
落ちこぼれ学生の気持ちも少しは推察できるようになるのではないか。
わからない学生の立場になって教えることが必要。だが時間が不足。
大学卒の保証をするためには、一定レベルの知識を与えないといけない。
不完全商品といえる学力不足の卒業生を世に送ると、結局その大学の評価は下がり滅びる。
大学卒の保証をするためには、一定レベルの知識を与えないといけない。
戦前47しかなかった大学が227に増えたとき、大学教授たちは依然として
予備知識を備えた少数精鋭の大学生を相手にしていたゼミ形式の講義を
変えることができなかった。大講堂でマイクを使っても、講義形式は同じだった。
大学の大衆化時代にどうしたら講義の効果が上がるだろうか。今も考え続ける私
今日も試行錯誤しています。
測量士、建築士などの国家試験の受験にだんぜん有利。
百姓に大学はいらないといっても、向かいの百姓の息子が大卒なら、こちらも子どもも
大卒になったとき何となくほっとする。コンプレックスの解消
女子学生は出席重視、講義がマニュアル的にしっかりしている、私語を注意する先生が好き
女子学生でなくてもまじめな男子学生も、形式のしっかりしている講義を好む。
そのほうが安心して講義を受けられる。
実は全ての授業を素通りしても元が取れるというのが真相だ。
授業料はお免状(卒業証書)の値段だった、という先生の説明には異議あり。
少しの科目には、この先生のいうひとコマ何千円の講義をとらなくても卒業できる
かもしれないが、講義全部とらないで卒業証書はもらえません。
多数の講義をとって合格しないと卒業証書はもらえません。
そして卒業してから、もっと先生の講義を聴いておけばよかったと多くの卒業生に言われる私。
もしあるなら学閥という集団の政治力も人生に役立つこともある。
自分たちで弱い学閥を強いものに育てていこう。そういう意欲ある学生をもちたいもの。
あわせるべきか。学生の顔を見ながら、できるだけ育てて鍛えていくしかないだろう。
教養教育はどうすべきか。それは私の範囲外だが、学生に必要性を知らせるのも
教養教育者の仕事ではないかと思う。