SI単位系

道路橋示方書・同解説もSI単位系に書き換えられる。

建設省、運輸省、JRなど建設関係では、平成11年4月までに全ての設計標準
(鋼,コンクリート,複合,トンネル,基礎,土構造)を全面的にSI単位に移行する
ための作業をおこなっている。

その理由は、平成5年に計量法が全面的に改定されSI化を進めることになって、
その猶予期間が平成11年10月までなので、11年11月以降は全てSI単位を
用いなければいけなくなるからである。
したがって、
平成11年度からは設計計算書の類は法的にSI単位で記述しなければならない  
ことになる。

既に道路橋は「道路橋示方書・同解説 SI単位移行に関する参考資料 平成10年  
7月 日本道路協会」を発行し、道路橋示方書の中のSI単位に関係する箇所を
リストアップしどのように変換するかを定めている。

鉄道(JR)でも同じようなものを作ろうとしている。
設計計算書については、現在の設計標準がKg/cm/cmで記述しているので
設計計算書もKg/cm/cmを用いている。

平成11年度以降はSI単位を使用しなければならなくなる。
また、鋼材についてはJIS規格にあわせてMpaで記述していたのだが、paは圧力の
単位ということで強度は「N/mm/mm」となる。たとえばSM400メガパスカル級と  
呼んでいたものもSM400ニュートン級というように変わると思われる。

このような状況なので、ここでは簡単にSI単位について解説する。
なお、我々の作っている教科書は一部はすでにSI単位を併記している。
これからの全国の状況を見ながら、新しく書き直す本は、一部併記もしながら、
SI単位で記述する方針である。

重量、重さという言葉は、力(ニュートンの法則による、質量*加速度のこと)の意味で使う。

1kgf=9.80665N

しかし、必要に応じた有効数字の桁数で換算する(原則)

 正確な換算の場合 1kgf=9.80665N  有効数字が4桁の場合 1kgf=9.807N  有効数字が3桁の場合 1kgf=9.81N  有効数字が2桁の場合 1kgf=9.8N  有効数字が1桁の場合 1kgf=10N

材料の単位重量  鋼・鋳鋼・鍛鋼      77kN/m3 (7,850kgf/m3)  鋳     鉄      71kN/m3 (7,250kgf/m3)  アルミニウム       27.5kN/m3 (2,800kgf/m3)  鉄筋コンクリート     24.5kN/m3 (2,500kgf/m3)  プレストスレトコンクリート 24.5kN/m3 (2,500kgf/m3)  コンクリート       23kN/m3 (2,350kgf/m3)  セメントモルタル     21kN/m3 (2,150kgf/m3)  木     材      8.0kN/m3 (800kgf/m3)  歴青材(防水用)     11kN/m3 (1,100kgf/m3)  アスファルト舗装     22.5kN/m3 (2,300kgf/m3)    換算例 (コンクリート) 2350*9.81=23.054 → 23kN/m3 L活荷重(B活荷重は裁荷長D=10m A活荷重は裁荷長D=6m)  等分布荷重 p1   曲げモーメントの計算   10N/mm2 (1,000kgf/cm2)   せん断力の計算      12N/mm2 (1,200kgf/cm2)  等分布荷重 p2   L≦80    3.5N/mm2 (350kgf/cm2)   80<L≦130    (4.3−0.01L)N/mm2 ((430−L)kgf/cm2)   130<L    3.0N/mm2 (300kgf/cm2) 構造用鋼材の許容引張応力度  SS400、SM400、SMA400W   板厚40mm以下   140N/mm2 (1,400kgf/cm2)   板厚40mmをこえる 125N/mm2 (1,300kgf/cm2)  SM490   板厚40mm以下   185N/mm2 (1,900kgf/cm2)   板厚40mmをこえる 175N/mm2 (1,750kgf/cm2)  (鋼板の最小板厚 8mm) 鋼材ヤング係数   2.0*105N/mm2 (2.1*106kgf/cm2) 鋼材せん断弾性係数   7.7*104N/mm2 (8.1*105kgf/cm2) もちろんポアソン比は0.3
鋼材せん断弾性係数が 7.7*104N/mm2となる理由 コンクリートの最低設計基準強度  無筋コンクリート部材      18N/mm2 (180kgf/cm2)  鉄筋コンクリート部材      21N/mm2 (210kgf/cm2)  PC部材(プレテンション方式) 35N/mm2 (350kgf/cm2)  PC部材(ポストテンション方式)30N/mm2 (300kgf/cm2) コンクリートのヤング係数   設計基準強度 21N/mm2 (210kgf/cm2)のとき    2.35*104N/mm2 (2.35*105kgf/cm2)   設計基準強度 30N/mm2 (300kgf/cm2)のとき    2.8*104N/mm2 (2.8*105kgf/cm2) コンクリートのせん断弾性係数   コンクリートのヤング係数/2.3