ドイツ語 コーヒー・ブレイク その55
Im Oktober
10月に
10月に入ってすぐの日曜日、教会で Erntedankfest 収穫感謝祭
の礼拝がありました。賛美歌を歌っているあいだに子どもたちが、
手に手に野菜や花や果物を持ち、一列に会堂の中に入ってきて、
正面の祭壇の横や前に山のように積み上げました。
子どもも大人も一緒になって、秋の実りを神様に感謝している
姿が、私にはほほえましく、またこのましく思えました。
日本にもむかしは鎮守様のお祭りがあって、
豊年満作をよろこんだものだった。しかし現代の日本人である
我々は、少なくとも都会では、収穫の感謝など思ってもみなく
なってしまった。そんなことを思わされるのでした。
この頃から夕方はとくに冷え込むようになりました。
吐く息が白く、外出に皮の外套を着て出る人の姿がめだちます。
通りを歩いていると、子どもたちが提灯をもって行列しているのです。
長い棒の先に、丸い太陽の絵をかいた手製の Laterne を下げて、
かわいい声をはりあげて歌っているではありませんか。
Laterne, Laterne,
ラテルネ、ラテルネ
Sonne, Mond und Sterne
お日さま、月よ、お星さま。
Brenne auf, mein Licht,
パッとあかるい灯をともせ。
aber nur meine liebe Laterne nicht.
わたしのラテルネだけはもえるなよ。
いろんな町で、いろんな日の夕方に私はこの子どもの Laternenzug
ラテルネ行列に出会いました。金髪の子どもたちは自分たちの手の中
でもえている火に興奮し上気していました。これからはじまる
長い人生の暗夜に、このラテルネの灯(ともしび)はいつまでも
あかるくともり続けることでしょう。
☆ ☆ ☆
このラテルネはハロウィーンと同じ時期でしょう。