ドイツ語 コーヒー・ブレイク

  • ドイツ語 コーヒー・ブレイク その50
    Weihnachten
    クリスマス
    
    ドイツの祝祭のなかで降誕節(クリスマス)ほど厳かで、
    よろこびに溢れたものはないでしょう。ちょうど4週間前から
    待降節 Advent アドベントが始まり、4回の日曜日ごとにローソクが
    1本ずつ灯がともされ、4本全部揃って燃える週にクリスマスが
    やってきます。ドイツのクリスマスは、ほんとうに静かな祭日です。
    
    12月24日の昼からが法的な祝日です。この日の昼から、町も村も
    しんと静まりかえってしまう。電車、バスの本数も激減します。
    店も何もかも、レストランもカフェーも27日まで閉まってしまいます。
    
    そして子どものある家もない家も、樅(もみ)の木を古いゲルマン時代
    からのままに居間に飾り、何百年、千何百年も歌いつがれてきた、
    たくさんのクリスマスの歌をうたいます。
    
    樅の木の下で聖書ルカ伝2章のキリスト降誕物語を読み、いくつもの
    歌をうたいおえると、木の下の飼葉桶のお人形を眺めながら、
    小テーブルに置かれたプレゼントを家族がおたがいにもらいます。
    ドイツでは夜の間にプレゼントを枕もとに置く習慣はないのです。
    
    プレゼントは、クリスマスばかりでなくいつどんなときのプレゼントでも
    そうですが、すぐその場で包みをあけ、互いにお礼を言い合います。
    
    それからご馳走。鳥料理がふつうです。そしてケーキやビスケットは、
    必ずお母さんの焼いたもの。よそで買ってきたケーキなんてクリスマス
    にはふさわしくない。
    なんといってもクリスマスには、おふくろの味でなくてはなりません。
    
    深夜の12時にクリスマス礼拝が教会で行われます。とくに
    カトリック教会の深夜ミサは荘厳でたいへん美しいものです。
    クリスマスはドイツ人が魂の故郷に帰っていく時と言えましょう。
     ☆   ☆   ☆
    
    ドイツ人つまりゲルマン人にキリスト教を普及させるため
    当時の教会関係者は工夫した。
    もともと冬が長く、日の一番短くなる夜の暮らしの最盛期(最悪期)のときに
    明日から春に一歩ずつ近づくぞというゲルマン伝統の祝いの行事があったわけ
    だが、その時期とキリストの誕生祝いをセットにしたのです。
    これ以後、ドイツ人はキリスト教の熱心な信者になった。
    
    日本の第三次産業(サービス業)はお祝いだけを取り入れた(宗教は除いて)。