ドイツ語 コーヒー・ブレイク

  • ドイツ語 コーヒー・ブレイク その49
    Stumm ist dumm
    沈黙はバカ
    
    フランス人ほどではありませんが、ドイツ人はよくしゃべります。
    とくにお客さんに対しては、お茶やタバコをさし上げるのと同様に、
    いやそれ以上に、お話をすることが大切なおもてなしなのです。
    
    どんなブロークンでもいいから、こちらも相槌を打ったり、
    意見を述べたり、何時間もしゃべり続けなくてはなりません。
    これは日本人にとっては重労働です。わたしたちはお客さんを
    そっとしておいてあげるのが礼儀だと考えます。じっと
    お茶やお酒を飲みながら、沈黙のひとときを微笑みながら楽しみます。
    
    しかし彼らはそうではありません。どんなことでもいいから話をして、
    会話の空白をつくるまいとします。わたしはそんなとき、ヨーロッパの
    16世紀以来の油絵の、カンバスいっぱいに絵具を塗りつぶす画法と、
    日本画の白い余白のある画風との違いがここにもあるような気がして
    なりません。
    
    1対1でなく、何人もの社交・集まりの席でも黙っていることは、
    バカである。 Stummm ist dumm. と考えられます。
    自分の意志、意見、思想というものはすべて言語で表現されなくては
    ならぬし、されうるものだ、とヨーロッパ人は考えます。
    表現されぬ思想というものはありえない。表現されないということは、
    とりもなおさず表現するものが何もないからだ、と考えます。
    
    しかし、とわたしはよく頭を振るのですが、ヨーロッパには
     Reden ist Silber, Schweigen ist Gold. 雄弁は銀、沈黙は金
    という諺がある。どうしてなのかしら。
    
    わたしは自分なりにこう考えます。あの諺、格言はもともと
    ラテン語です。ローマの人は今のイタリア人もそうですが、
    いったん語りはじめると歌うがごとく叫ぶがごとく、とどまるという
    ことを知らない。
    そして、人の話を静かに聞くことができない。これは不幸なことです。
    それでローマ人がああいう格言をつくったのではないか、
    そう思うのです。いかがでしょうか。
    
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    これでもかこれでもかと私もこのページに
    書いているように思う人がいるかもしれません。
    しかし、たまたま書く条件がそろったのです。
    
    ・今までの端末では書き込んで投稿するのに骨が折れたが
     新しいPCでは非常に簡単になった。
    ・もう廃止されたパソコン通信の中に私にとって有益な記事を
     書いたのだが、無くなってしまうから、ここに転載して
     皆様と一緒に考えてみたい。考えるヒントの提供。
    ・秋田の短大のNO先生がドイツ留学するので、有益な記事を
     書いて、他の皆様にも提供したい。
    ・建設環境工学科のNA先生のお世話で自分の研究室のPCでホームページ
     を管理できるようになった。
    ・元記事は iwate-u.misc はご承知のように何でも書いてよい
     岩手大学のニュースグループです。
     初期のころは、ネット関係者が盛り上げるため、積極的書き込みをしていましたが
     私はそのころは端末環境の都合で科学技術庁や岩手県庁のパソコン通信
     のほうに力を入れていました。
     もちろん当時は情報処理センター長の仕事として、岩手大学のインターネット構築には
     相当な時間をついやしましたが。
     (この一連の記事を書いていた当時は情報処理センター長でした)