ドイツ語 コーヒー・ブレイク その17
Schluessel
鍵
ヨーロッパ生活には鍵が非常に大切です。
車の鍵 Autoschluessel、家の玄関の鍵 Hausschluessel、
部屋の鍵 Zimmerschuessel などからはじまって、実にありとあらゆる鍵を
重い束にして持ち歩かなければなりません。
ドイツの子どもは外出するときに、「何時に帰りますよ」と約束して出かけ、
夜遅く帰宅したら親に玄関の鍵をあけてもらいますが、
14、15歳でダンスのレッスンに出かけ、異性の友人ができることろから、
帰宅がずいぶん遅くなります。
16、17歳のころ、両親が子どもを呼んで重々しく言います。
Du bist jetzt gross genug, den Hausschluessel zu bekommen.
おまえも大きくなったから、お家の鍵をあげよう。
そう言って鍵を与える。
この時から、彼または彼女は1人前の大人扱いです。
もうどんなに遅くなっても親の世話にならずにすみます。しかし、そのことは、
夜道にどんなことになろうと、本人の責任だということになりますから、
パーティの帰りなど女の子は男性に送ってもらわなくてはなりません。
そして異性との間に何が起ころうと、これまたすべて本人の責任なのです。
誰かのせいにすることはできない。
家の鍵をもらうことが、いわば成人式のようなものなのです。
☆ ☆ ☆
ドイツの大学の若い助手が、腰に
大きな鉄の輪をぶら下げ、そのリングを鍵束にして使っていた。
私もまねをして、マジックに使うようなリングを買ってきて、彼のように
ビールの栓ぬきまで付けている。年に1度くらいビールの栓抜きは使う
ことがある。鍵束一式はけっこう重い。