ドイツのこと、ドイツの思い出、ドイツ文化など その2

            

ドイツの夏は日が長い

ドイツの緯度は日本よりずっと北だから、夏は日照時間が長いのです。

留学ではじめてドイツに到着する時、飛行場に私の指導教授が迎えに出る
という手紙をもらいました。

ところが飛行機がフランクフルト空港に着くのは夜の8時半。
もう暗いのだから、わざわざドイツの教授に迎えに来ていただくのは失礼だ
とのゲーテ・インスティトゥートの韓国の校長先生(ちょうど渡航前、盛岡で会った)
の勧めもあり、私は夜はフランクフルトのホテルに泊まって翌日自分で
大学のあるダルムシュタットの駅まで行くから、駅で午前中に待ち合わせる
ことにしました。

            

しかし、ドイツに行ってみてわかったことは、夜の9時でもまだ明るい、夕焼けの
時刻だったということです。

私のドイツに行った時期は8月上旬でしたが、その後8月と9月にフライブルクの
ドイツ語学校(ゲーテ・インスティトゥート)に通ったときも、
トルコの青年と一緒に9時近くまで夕焼けのブラスバンド演奏を聞いて、そのあと
駅でビールを飲んで解散した覚えがあります。だから、ドイツの夏の9時でも
日本の夏の6時頃の感覚なのです。

ドイツの夏は朝も早いのです。3時や4時にはもう明るくなります。
したがって、ブラインドも木製の板をロープでつないだ丈夫なブラインドで
これで窓を完全にふさいでくれます。
私など操作がよくわからず、このブラインドを壊して、1日中閉めっぱなしになって
困ったことがあります。

要するに、北国ドイツの夏は夜が短く昼が長いのです。北極に行くとさらに極端になり、
1日中昼の白夜になります。

     

ドイツの冬は夜が長い

ドイツの冬は、夏と反対に、夜が長くなります。
最も夜が長いクリスマスの頃は、夕方は3時すぎには暗くなってしまいます。
朝も8時でも町は真っ暗です。9時にならないと、あたりは明るくなりません。

こういう早朝5時の真っ暗の中を、通勤の車が行列を作って走って行きます。
暗いといっても、みんなは時間どおりに出勤しているのです。

まだ暗い、そして寒い朝の町を歩いていくと、しだいに明るくなってきて、
街角に大きな建物のファサードなどの姿が見えてくると、心が楽しくなってきます。
家々の窓には外の人に見せるべく美しい花が鉢に入れられ飾られています。

暗くて寒い、だから気がめいってくるのを、美しい建物や窓に置いた鉢植えの花なので
互いに元気づけあうのでしょうか、ドイツの人々は。

そういうわけで、クリスマスは暦の上では、夜の長い最悪の頃です。
さあ、明日からは1日1日と、夜が短くなり昼が長くなっていく
みんな元気を出そうじゃないか。そうお祝いをしているのでしょう。

もっとも、これは意識下の彼らの心を想像しているだけで、
今はクリスマスは国民的民族的お祝いです。

ただ遠い昔、聖職者たちはゲルマン民族にキリスト教を布教するため
ゲルマン民族の伝統的冬の祭りの時期にキリスト誕生祝いを結びつけたので
ありましょう。なかなか知恵のある行いだったと思います。
                      

夏時間と冬時間

むかし、私たちが子どものころ、まだ進駐軍がいました。
彼らはアメリカの習慣すなわちヨーロッパの習慣である、サマータイムを
日本に持ち込んだのです。

これは緯度の高い国なら、夏は日照時間が長いから季節にあった処置なのですが、
日本のような緯度の中途半端の国ではあまりメリットはなく、
夏にいつもより早く起こされて、みんな不機嫌だったという記憶があります。

ドイツはフランスやイギリスのように緯度が高い所にありますから、
夏は日照時間が長く、冬は反対に太陽の出る時間が極端に短くなります。
したがって、夏時間と冬時間の使い分けは実状にあっています。
長年の経験から生まれてきた知恵なのでありましょう。

私がドイツにいた当時では、3月末の日曜日の夜中(早朝午前0時)に全国一斉に
時計の時間を進ませます。
そうすると、たとえば駅に行ったら、昨日まで朝の8時に出発していた列車は
やはり同じ8時に出発するわけですが、全国の時計は昨日より1時間早く
なっているから、何も知らない旅行者が時計を昨日のままにしておくと、
今日その時計のまま8時の列車に乗ろうと思って駅に来ると、なんと列車は1時間前
に発車してしまっている!

反対に9月末の日曜日の夜中(早朝午前0時)に、全国一斉日に時計を1時間
遅らせます。
その結果、昨日よりゆっくり時間は進むような印象を受けます。

私など知識として知っていても、その場面になって町中の時計が自分の腕時計
と1時間ずれているので、ああ冬時間にはいったんだなと知らされたのです。

ちょうどその日曜日に友人と待ち合わせをして、正しいドイツ時間なら
まだ1時間の余裕があるが、もし気がつかないのなら1時間余計に待ってしまう。
それでは気の毒だと思って、約束の時間の1時間前に待ち合わせ場所にかけつけたら
なんと二人とも同じ事を考えていて、正確なドイツ時間の1時間前に無事再会できました。

1996年10月にロンドンに行ったときの体験では、どうやらヨーロッパの冬時間は
今では9月末の日曜日ではなく、10月末の日曜日から実施しているようです。

なお現在は、時間を変えるのは、夜中の12時ではなく、2時なんだそうです。
というのは、数年前に、中央欧州とイギリスが同時に時間を変えるようになったから。
中央欧州の時間に合わせてしまうと、1時間の時差のあるイギリスでは
日付まで変えなければいけなくなってしまうので、こうした決まりができました。

                 (つづく)

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