Telefon ―― 電話 ―― ドイツ語での電話のかけ方、とくにドイツから日本への通話の 仕方については前著『コーヒー・ブレイク』に詳しく述べましたが、 ここではさらにもうひとつご注意と、文法的なことを申しあげます。 日本のホテルでは外線への電話料金はだいたい実費制度をとって いますが、ドイツのホテルでは一通話あたり50ペニヒを申し受ける ことに全国一律に決まっています。 Pensionなどでは40ペニヒの ところもあります。 ふつうのOrtsgespraech 市内通話は(日本とちがって、今のところは まだ3分間というような時間の制限なし)20ペニヒです。 そうしてみますと、ホテルからの電話は2.5倍の料金になります。 これについて連邦議会での論議もありましたが、今のところ変更され そうにもありません。設備費や人件費のためこうなるのだというのですが、 たいていのホテルの電話は0を回わせば自動的に外線に通ずる仕組に なっているので、人件費云々は当りません。 国内通話はたいしたことはありませんが、日本への通話がたいへん です。ドイツから日本へは、どんな片田舎からでもselbst waehlen 自分でダイヤル0081を回すと通じてしまいます。そのあと東京なら 03の0を取って3,京都なら0フ5の0を取ってフ5を回します。 とても手軽に日本に電話がかけられます。 しかし、ご用心!ホテルからだと2.5倍になってしまうのです。 郵便局か、友人の家、どこかのオフィスからかけさせてもらうに限ります。 私は東京の自宅へよく電話を入れますが、6マルクほどで済ませる ことがよくあります。日本から海外への竃話はとても高い。 しかも3分1通話計算で、30秒の通話でも3700とられます。 ただ国際電々本社に出かけてかけると、1分1通話制があります。 なお,時差が8時間あり,日本のほうが時計は先に進んでいる ことも計算のうちに入れておきましょう。 jn an/rufen 「電話をかける」。4格 Akkusativの日的語をとる 分離動詞です。「ある人に」電話をするのだから3格Dativだ ろうと思うと誤りです。これは電話をかける動作を表わす動詞。 mit jm telefonieren 「人と電話で話をする」。原則として4格 目的語をとらず,mit jemandem(Dativ)〜です。 Ich moechte nach Japan anrufen. 「日本に電話したい』。 Ich muβ zu Hause anrufen. 「私は自宅に電話しなくてはなりません」。 ☆ ☆ ☆ ドイツで電話をかけるのは大変。 電話がかけられるようになったら、ドイツに慣れたということ。 相手の顔を見ながらの会話なら身振り手振りもできるが、 電話だと声だけでコミュニケーションをとらないといけないから。