Im Sommer ―― 夏 に ―― 7・8月 Juli,August 夏は休暇の季節です。仕事を休み、勉強をしばらく忘れてどこかへ出かけ、 気分転換をする。6月末から7月になるとドイツ人は「休暇」の話ばかり しています。そのうれしそうな顔といったらありません。 私たち日本人は、学生は別として、いったん社会に出て勤めたら、 休むなんて罪悪だと思う習性があります。大企業ではお盆の前後を 休みますが、それも精々1週間でしょう。 ドイツにはもう数十年前から Urlaubsgesetz 休暇法という いかめしい法律があり、およそすべて働くものは、最低3週間の 有給休暇をとらなければならぬ「義務」があります。一般労働者 ばかりではありません。自由業の人も、医者も、商店でも当然の 権利、いや、義務として長い休みをとる。 それが一年中の生き甲斐だとさえ思われます。だれでも生き甲斐が ほしいですね。それは、いったいなんでありましょうか。 現在のドイツ人はこの問いに対して、大部分の人が言下に Urlaub[ウーアラウプ]「休暇」と答えるでしよう。これについて 私は、皮肉屋ふるわけではありませんが、確信をもっています。 彼らはつまり7・8月になったら最低3週間の休暇をとって、 どこか遠くへ旅をすることを1年中の期待としているのです。 8月、それは旅の季節なのです。車一杯に家族と荷物を詰めこみ Autobahn[ァオトーバーン]のうえを窓を開けてまっしぐらに 北か南へ突っ走る。ともかくどこかに部屋を倍りるか、安い ホテルに泊り、できれば食事も自炊でなくのんびり過ごし、陽光 を浴びて肌をやきたい。 経済的に、しかし静かで太陽の光のあるところを! そう願ってくり出すドイツ人は、今ふたりにひとりは車を持っている 国柄とて、国内どころか∃−ロツパ中、東欧諸国にも溢れに溢れます。 国内の道路では8月中は交通マヒのもとになるからというわけで、 Autobahnはむろん、それ以外でも道路工事はさしひかえます。 一般の商店だって、ただ今 Urlaub中、と紙片を貼って扉を閉め、 どこか遠くへ旅に行ってしまいます。ゴールデン・ウィークだの レジャーブームだなどというのとけたが違う。 まさに国を挙げ、家中こぞっての断手として壮大なる大事業であり、 1年の夢であり、ドイツ人がたえず夏によせる幸福への願いなのです。 ”おおSommerよ、美しきUrlaubのときよ1”、なのであります。 Waren Sie schon in Urlaub? 「もうウーアラウプ(ヴァカンスの旅)に行ってらしたの」。 Ja,ich war schon in Urlaub. 「ええ,休暇をとってきました」。 Naehste Woche gehc ich auf Urlaub. 「来週ウーアラウプの旅に出かけます」。☆ ☆ ☆
ドイツのウアラウプは義務。
日本人ももっと休みをとらなくてはならない。
長期休暇をとって退職した公務員がいたが、公務員みずから長期休暇をとらなくては
国際的に批判される?