Apotheke ―― 薬 局 ―― ドイツは完全に医薬分業ですから、医者の処方箋 Rezept [レツェプト] がないと売ってくれない薬が多く、抗生物質や自分の常備薬などは 日本から持っていくほうがよろしい。 むろんアスピリンとか腹痛止めなどの薬ならレツェプト(処方漆) なしで売ってくれます。時間外や休日でも、町の中のどこかの薬局 は必ず開いていて、それがどこのお店かが、休みの薬局のドアに 貼り出してあります。 ある秋の日に、夕方急に寒くなるのがわかっていながらつい油断 して風邪をひいてしまいました。ひとり旅でしたのでいたって 心細く、早速Apotheke「アポテーケ]を探して、風邪薬を買い に行きました。 Ich haette gern eine Medizin gegen Erkaeltung. 「風邪薬をください」。そして多少アレルギーの気味がある、つまり アレルギツシュだ、と申しそえましたら、薬局のおじさんは薬 をくれず、うんと熱いお茶にウイスキーを入れ、レモンを1個分 全部しぼりこんで飲みなさい。そして、暖い布団にもぐりこんで、 少し汗が出できても我慢して、ねまきがぐっしょりになるまで待 ちなさい。そうすれば風邪は治ってしまうよ、と言うのでした。 それでも治らなかったら、アスピリン・プルス・ヴィタミンCと いうのをあげよう、と言ってくれました。 すごく大きい錠剤で、 水にとかして飲むものです。 その時は、ドイツふうたまご酒で治りましたが、日本では発売 禁止のAspirin plus C という薬を、私はその後いつも用意して おります。たいへんよく効きます。でも、薬は個人差があります から、誰にでも効くとは限らないでしょう。 Bitte geben Sie mir ein Beruhigungsmittel ! 「鎮静剤をください」。 Haben Sie ein Rezept? 「処方箋をお持ちですか」。 Ohne Rezept geht es leider nicht. 「処方箋なしでは,残念ながらだめです」。 ☆ ☆ ☆ ドイツ人でお医者さんにかかるのに原則として1週間前にアポイントメント をとつておかなくてはならない。 そんな前からわかるものか。 薬もお医者さんに処方箋を書いてもらわないと、薬局で買えない。 日本から薬を持っていくのがいい。