Nach der Party ―― 宴はてて ―― 酒の飲み方には、どこの国にもそれぞれお国ぶりというものが あり、飲み助はなかなかうるさいものです。 ドイツでは、ワインでも、アルコール分の少ないビールでも、 ご婦人ともどもに飲むので、これまたいくつか約束めいたしきたり があります。 まずグラスにひととおり注ぎ終わると、前にも記したように、 Zum Woh1! とかProsit!「乾杯」、Auf lhre Gesundheit! 「ご健康を 祝して」と言いつつ乾杯するのですが、このときひとわたり 一同の目を見てから飲み、終わるともう一度グッと同席の全員 と目を見かわして杯を置きます。 この乾杯は、はじめだけでなく、ひとの健康を祈ったり、 おめでとうと言ったりして、いくどかくり返します。 ワインは、飲みさしのグラスに注いでもよいのですが、ビール は日本の習慣とちがって、注ぎ足しをしません。味が変わって しまう、と言っていやがります。 どんなに飲んでも酔っぱらってはいけません。特殊の学生組合 をのぞいては飲んだくれのないのが、ドイツの特徴です。 そろそろ帰るときのころあいをはかるのは、日本と似ています。 「では,ボツボツ」と言ってから3、4分してはじめて席を立つ。 時間だから失礼、と言っていきなり立ち上がって帰るのは、短い 訪問のときはいいけれど、夜のワインの席などではいけないのです。 この「ボツボツ」にあたるドイツ語はlangsam[ラングザーム]です。 立ち上がって、まず主婦に対して「すばらしい晩でした」とか、 「楽しい午後を持ちました」とお礼を言って、握手をする。そして 玄関口に出ると、お客のマントを家のあるじ側の男性がうしろ から着せかけてあげます。このときの順序は、まず女性が第1で あることはいうまでもありません。 さて、タバコのときと同じで、女の人が男性のお客に対して外套や コートを着せかけることは、絶対にありません。同性か恋人に 対してはしますけれども。 路上では、男は車道側、女性は歩道側を歩きます。男性が先、 女がうしろなんていう行列はいけません。また、同性同志ならんで 歩くときは、日下年下の方が車道側、つまり危険な方を歩きます。 男2人、女1人。女2人に男1人、といったような組み合わせの ときは、その1人だけの人がまんなかに入ります。 Darf ich mich empfehlen? 「おいとまをします」。 Es war wirklich schoen bei Ihnen. 「たいへん楽しうございました」。 ☆ ☆ ☆ ドイツ人では招待されて帰るとき、ありがとうございましたと 言えばそれでよい。