Sonnenbrille ―― サングラス ―― 日本人は目が弱く、眼鏡をかけた人が多い。眼鏡をかけ、カメラを 持って猫背で歩いているのは日本人と思ってまちがいありません。 目を保護するつもりでサングラスをかける人も多くあります。 暗い部屋や建物の中でもはずさない人が案外多いですね。 目の病気ならしかたがありませんが、そうでない場合には、日本では イキに見えるのかもしれませんが、ドイツではとくに人と話を するときにはたいへん失礼にあたります。 通常眼鏡のうえにかけるSonnenschutzvorhaenger (あるいは Aursteckglas ともいう)についてもまったく同様です。 なぜかと言いますと、ドイツ人は人と話をするときには必ず相手の 目を見て話をするからです。うつむいて下を見ながら話をする ということがありません。視線をはずすのは、やましいことが あるからだと思われます。 それで相手はこちらの目を覗きこむようにして話しかけてくるのに、 サングラスをかけていてはこちらの目、とくに瞳が見えないでしょう。 これで相手はすっかり感情を悪くしてしまいます。 相手は心の中でつぶやくでしょう:Ich moechte lhre Augen sehen. 「あなたの日を見たいのに」と。 話のときばかりではありません。ワインやビールを飲むとき、 杯をあげて乾杯の挨拶をする折に―黙ってひとりで飲み始めて はいけません―、互いに相手の目を見つめ合います。テーブル を囲んで何人もいるときにはできるだけそれらすべての人びとと 目を見かわしてProsit!とかZum Wohl! と挨拶をし合います。 そのときサングラスをしていては、羊の群の中におおかみが一匹 迷いこんだようなもので、いけません。 路上やプールなどで、きれいな女の子をジロジロ見つめるには サングラスは便利でいい。そういうときにおおいに活用しましょう。 Sie haben schoene Augen. 「あなたは目が美しいですね」。 Aus dem Auge, aus dem Sinn. 「去る者日々にうとし」(諺)。 ☆ ☆ ☆ ドイツ人はにらみつけるように相手の目をきっちり見ながら話をする。 気の弱い日本人はつい目をそらせたくなりそう。 しかし、日本人でも相手の顔を見ないで脇を向いて話す人がいるが、 就職試験ではやっぱり落ちてしまう。 学生も相手の顔を見ながら話をする練習が必要のようです。