ヨーロッパ旅行記(7)

41回目から46回目まで
 ロンドン、大英博物館、そして日本まで

ヨーロッパ旅行記 その42

ロンドン編3 猿岩石を切る

>>19日の土曜日の午前中は我々はロンドンにいたのです。
>>9時半にトラファルガー広場に寄ったら
>>何と日本語の看板が大きく立て掛けられていました。
>>    進め電波少年
>>    ユーラシア大陸横断ゴール
>>この日本テレビの「進め電波少年」ロンドンロケの放映は
>>22日 特番7時半とか。
>帰国してから、私の学科の学生3名に、電波少年のことを聞いたら
>全員知っていました。

さて学生たちは単純に、猿岩石をもてはやしていますが
それでいいのでしょうか。
この機会に辛口のコメントを書いてみたいと思います。

まず例によって引用文を紹介します。
................
猿岩石のヒッチハイクは香港からロンドンまで半年がかりでヒッチハイク
の旅を続けるという、常識では考えられないようなものだった。

ところが、視聴率が20%を超えるは、新聞社や日本テレビに
「ロンドンのゴールインに感動した」という投書が殺到したという。

あの広大なユーラシア大陸を、ヒッチハイクで横断したのだから
それは感動をもって迎えられたのはわかるが、その投書の内容を
聞くと、演出があったことを知らないで素直に感動しているので、
「はたして日本の若者はこれでいいのか?」と疑問をもってしまう。

「お金がなくても、何かをしようと思えば実現することを教えられた」
「最後の3日間、何も食べずに歩き続けた二人に拍手したい」
「世界各地に、温かい心の人が大勢いることを知って、私も同じように、 と思っている」

このような投書が多かったことはやはり問題だろう。
(チャンネル裏通り、岩手日報夕刊 11月12日)
.............

一種のやらせ番組なのであるが、若い視聴者が画面を全部信用して
しまっている様子は問題だ。

お金がなくて現地でアルバイトをしているうちにくずれていって
日本に帰られずそのまま異国の地に果てた人は現代のパリやロンドン
だけでなく、遣唐使の昔からいたという。

(すでに農学部の先生の指摘されたように、観光ビザで入国して
アルバイトをすれば直ちに国外追放されるはず)

外国には良い人もいれば悪い人もいる。それは日本だって同じこと
であるが、絵になる話題になる面だけ見せて、その反面の陰のケース、
たとえば騙されて所持金を奪われた上、命までおとすケースや、
政治的トラブルに巻き込まれ政治犯の扱いを受けるケースなど
がたくさんこの世にはある。

無謀な無銭旅行をいましめて、海外渡航に慎重な準備をして
現地で注意して生活する、それは常識なこと。
そういうことを教育する番組があったら、その方が親切だと思う。

テレビに出ていることを、鵜呑みにしないで客観的批判的に見よう。

しかし
息子の就職に際して、テレビのCMに出ている会社なら、
安心して就職させる母親が多いという。

(専門的にしっかりした、しかし地味でテレビCMには無縁な会社に就職
しようとする息子に、派手にCMを流す会社のほうがいいと薦めるそうです)

テレビや週刊誌で紹介されたレストランにわっと押し寄せる、
自分の判断力に自信のないグルメが大勢いるから、そういう
客を相手に手軽で儲かる料理を作る調理人もはびこる世の中。

テレビをそのまま信じるのは怖いこと。

第二、第三のヒットラーやオウム教祖はメディアは武器とばかり、
これからも無知な大衆をひきつける道具に使うであろう。

私も含めて、みんな賢くならないといけない。

猿岩石のビザの用意をしたり、やらせのアルバイト交渉をしたり、
現地で(一見)親切に猿岩石を乗せてくれるトラック運転手に
陰でこっそりお金を払っている
商業的黒子を目を大きくあけて見ましょう。
(彼らの姿はなかなかテレビ画面に出てこない)

   

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