ラプラス変換を行い求めた解を
元の微分方程式に代入して成立することを確かめ
さらに与えられた境界条件(初期条件)も満足することを確認すること。
そう最初に指示したのにもかかわらず、この解のチェックをしない者が続出。
たとえば以下の問題について
この場合に、せっかくの検算であるが
この学生の場合は、下記のときの方程式の解を求めたのであるから
y'−2y=cosx, y(0)=1
この場合
L(y')=sY−y(0)=sY−1
とすべきところを
L(y')=sY−y(0)=sY+1
としてしまった。
当然 解は違ってしまう。
y=−2cost+sint+3e2t
となるはずの解は、この学生では
y=−2cost+sint+e2t
となってしまった。
この解でも元の微分方程式は満たされるから大変。
実は境界条件が満たされないのだが
この学生はつい期待もあって
y(0)=1
としてしまった。 この解を使えば y(0)=−1となって
これではいけないと気づくはずなのに。
まさに自分に都合の良いような錯覚だった。
y'−2y=cosx, y(0)=−1
当然この解は上の条件を満たすわけである。
y=−2cost+sint+e2t
たとえば以下の問題について
要するに sin関数のラプラス変換の公式を間違って使ってしまった。
y'+y=sin2x, y(0)=0
この場合
ラプラス逆変換すると
y=−(2/5)L−1{(s/(s2+4)}+(1/5)L−1{(2/(s2+4)}+(2/5)L−1{(1/(s+1)}
=−(2/5)cos2x+(1/5)sin2x+(2/5)e−x
とすべきところを
=−(2/5)cos2x+(2/5)sin2x+(2/5)e−x
としてしまった。
L−1{(2/(s2+4)}=sin2x
となるはずなのに、この学生では
L−1{(1/(s2+4)}=sin2x
と勘違いしたらしい。
来年も、このラプラス変換の試験では、確認チェックを要求してみよう。
受験生も正解のめやすになるし、こちらも指導に楽である。