翻訳された科学用語

なお日本で、 気温をいうとき華氏○度とは、考案者ファーレンハイトを漢字表記したとき「華倫海」 の先頭の字が華だから、華氏というのである。 同様に、摂氏○度というときは、考案者セルシウスの名前の漢字の先頭が摂だからである。 こうしてみると、明治の時に日本語も、最初に漢字を当てた中国人の苦労を受け継いで いるのである。 当時の中国は南方からまず欧米と接触があったので、北京語の発音ではなく、広東語の ような発音で漢字を当てたらしい。 だから、現代の北京語学者が明治の漢字の発音を評価するのは困難なようである。 よしむ氏によると現代中国では下記のように表記するそうです。  ファーレンハイト(ドイツ人)法倫海特  セルシウス(スウェーデン人)摂爾(尓)胥斯 三角関数の名称も中国人がつけた。 17世紀前半に、明末期の大臣徐光啓(1562-1633)がイエズス会の伝道士マテォ・リッチの 説明を口述筆記して「幾何学原理」を著した。 徐光啓はさらにイタリアの伝道士ジャック・ローと協力して「測量全義1631年」を 著し、三角関数の正弦、余弦などの名前をつけた。 蘭学者の宇田川榕庵(ようあん 1797〜1846)が訳した細胞・水素・窒素・酸素 幕末に翻訳されたオランダ語の医学書『解体新書』には 多数の医学用語がある。 「神経」「十二指腸」「盲腸」「軟骨」