構造工学研究室

   教授 宮本 裕

研究概要

 構造物に関して広く研究を行っています。つまり、研究対象の材料としては
弾性体や弾塑性体や粘弾性をあつかっています。そして、骨組構造物やシェル構造
や合成桁などの構造部材を組み合わせた構造物も研究対象としています。
また、静的荷重ばかりでなく動的現象(固有振動、地震応答、交通振動、衝撃応答)
についても計測や解析を行い、さらに設計のプログラム開発まで行っています。
岩手県や東北各県において橋の実測を行い、橋の耐荷力や健全度を評価して
社会資本としての橋の維持管理の助言指導を行っています。
また、技術史の研究を通じて、文化遺産としての銘橋の意義と保存に勤めています。
さらに日頃の教育研究活動にもとづいて教科書の作成をしています。

研究テーマ

木橋の開発に関する研究
既設橋梁の健全度評価に関する研究
亜鉛メッキ橋梁の開発に関する研究
アセットマネジメントに関する研究
教科書の作成

木橋の開発に関する研究


 現在、環境対策や地場産業としての森林資源の活用のために、集成材を利用
した木橋が多くなっています。中には自動車が走っても十分耐えられる丈夫な橋も
あります。しかし、この木の橋の技術は発展途上にありまだまだ未知のことが
あります。当研究室では他の大学と共同研究をしながら、木橋を測定したり、
集成材の圧縮破壊試験、引張破壊試験、曲げ破壊試験などの解析を行い、
木橋の設計の基礎資料を集めています。また、これらの破壊試験から得られた
データを用いて、塑性域の広がりを考慮した集成材梁の弾塑性剛性マトリックス
法を研究して学会に発表しています。さらに、集成材どうしの連結部に関する実験
や解析を行って、大型構造物の製造や設計に役立つデータもまとめています。
これらの研究結果は土木学会の木橋委員会で設計指針に取り入れられています。

既設橋梁の健全度評価に関する研究


 既設橋梁が設計時に期待された強度を現在も維持しているかどうかを
トラックなどの載荷試験で応力やひずみやたわみを測定して判定しています。
また、走行試験や常時微動計測などによって橋の振動から剛性を推定して
その橋の健全度を評価する研究も行っています。コンクリート床版の内部に
亀裂や空洞や劣化のある場合は表面から見ることができないので、非破壊検査
もしています。これらの研究成果は毎年学会で発表され、時には技術賞を
受賞したこともありました。

亜鉛メッキ橋梁の開発に関する研究


 鋼橋は錆対策のため数年に一度は塗装しなくてはいけません。塗装の費用は
その橋の存続する限りかかります。また塗装工事は橋の上の交通の妨げにも
なります。そこで、塗装の必要のない鋼材として耐候性鋼板などの技術も
ありますが、当研究室では鉄塔を製作している会社と共同研究をして
鋼板を溶融亜鉛メッキする技術開発を行っています。特にメッキ槽内で高温
を受けた鋼板の熱応力の影響を実験データに基づいて解析研究しています。
また、豪雪地帯における亜鉛メッキ試験片の長期間暴露試験を行って貴重な
データも集めています。

アセットマネジメントに関する研究


 橋梁は国民みんなの財産で社会資本のひとつです。この橋梁をできるだけ
長期間にわたって維持管理していくことが資産管理になります。それには
注目する橋の現状がどの程度傷んでいるかを調査し、早めに対策を立て
傷みのひどい部分を速やかに修復し、その橋をできるだけ長く使うことが
大切です。橋の長寿命化をはかるために岩手県庁などと共同で調査研究
をしたり対応工事の助言を行っています。
      

技術史の研究


技術史の研究を通じて、文化遺産としての銘橋の意義と保存に勤めています。
  

教科書の作成


長年の教育研究活動にもとづいて、構造力学や橋梁工学の教科書を作っています。
これらの教科書は全国的に売れて、改訂版が次々に出版されました。
     

連絡先

  Email: miyamoto@iwate-u.ac.jp