電子メールの仕組みとメールソフトの基本設定/基本操作


1. 電子メールの仕組み
 1対1での特定の人同士でのコミュニケーションを可能とする機能が電子メールです。この電子メールのサービスを提供しているのがSMTP(Simple Mail Transfer Protocol) と呼ばれるプロトコルです。その仕組みをABC大学の高橋さんと(株)XYZ社の佐藤さんとの電子メールのやり取り(送受信)の場合を例に説明します。[ 図1 ]
 佐藤さん、高橋さん、それぞれの組織内は、手許のパソコン(PC)とメールサーバーとは、LAN回線で接続されているとします。(もし、佐藤さん、高橋さんが個人で自宅で利用しているとすると手許のPCと商用プロバイダー内のメールサーバーとは、電話回線で接続されることになります。)佐藤さんの作成したメールは、大学のメールサーバーで、送信先である相手のメールアドレスの記載にミスが無いかチェックし、その情報にミスがなければ、インターネットを経由し相手先のメールサーバーへ送信されます。
 もし、ドメイン名のミスやアドレスに2バイト文字等があれば、大学内のメールサーバーから、エラーメッセージが返送されてきます。また、送信先ドメイン名が正しくが、個人アドレスに間違いがあると相手のメールサーバーから、エラーメッセージが返送されてきます。
 メールアドレスに一切ミスが無い場合は、相手のメールサーバー内の高橋さんのメールボックスに保存されます。高橋さんが、実際に自分のメールを受け取るのは、自分の手許のPCに電源を入れ、メールソフトを起動し、メールサーバー内のメールボックスにアクセスした時です。(もし、高橋さんがなんらかの理由で長期休暇をとり、しばらく、PCを利用していないとか、PCが故障中で利用していない場合は、高橋さんがメールを読んでくれるまで時間が掛かります。)
 また、逆に高橋さんから返送されたメールは、直接、 佐藤さんの手許のPCへ届くのではなく、大学内のメールサーバー内の佐藤さんのメールボックスに一旦、保存されます。 高橋さんからのメールは、佐藤さんが手許のPCを起動し、メールソフトを起動し、メールサーバー内のメールボックスにアクセスした時に読まれます。

図1. 電子メールの仕組み

2. メールソフトの基本設定/基本操作

基本設定
 基本設定は、メールソフト使用の際、最初に一度だけ正しく設定しておく必要があります。
 ここでは、メールソフト「Eudora Pro」の画面を例に説明します。(詳細は、それぞれのメールソフトのマニュアル等を参照下さい。)
 基本設定として、[ 図2 ]
 ○本名は、日本語、または、英字で入力します。
  ここに入力した情報は、メールのヘッター部(From:欄)に送信者の名前として、メールアドレスと一緒に表示されます。
 ○ユーザ名は、サーバに登録されたユーザー名(または、ユーザID)です。(ネットワーク管理者等へ申請し、入手します。)
 ○受信用メールサーバは、ネットワーク管理者等(または、プロバイダ)から指定されます。
 ○返信アドレスは、通常、空白にしておきます。ユーザ名@受信用メールサーバと違う場合にのみ指定します。ここに入力した情報は、メールのヘッター部( Reply-To:欄)の返信先として表示されます。

図2. 基本設定(1)

SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)の欄に送信用メールサーバの名前を設定します。
送信用メールサーバと受信用メールサーバが同じ場合は、省略可能です。[ 図3 ](送信用メールサーバと受信用メールサーバが同じ場合が一般的のようです。)
その他、メールソフト利用上の詳細な条件を設定が可能ですが、ここでは、説明を省略します。

図3. 基本設定(2)

メール基本操作[ 図4 ]
 メッセージを作成し、メールを「送信」する場合について説明します。
 メールの内容(メッセージ、本文)以外に、受信者(To:欄)、タイトル(Subject:欄)を必ず入力する必要があります。
 ○受信者(To:欄)欄は、受取人のメールアドレスを正確に記入する必要があります。必ず、半角英数字を用います。ドメイン名の区切り記号は、ピリオド(.)で、カンマ(,)でありません。大文字と小文字は、区別されますから、1文字づつ間違いなく入力します。「@」は、アットマークと呼びます。
 ○タイトル(Subject:欄)は、空白(プランク)でも、間違いではありませんが、メールを受け取った相手に対し、不親切です。メールの内容(メッセージ)がわかる簡潔で適切なタイトルをつけます。最近は、日本語、英数字のどちらでも、オーケーです。海外で日本語システムを利用していない相手に対しては、半角英数字を用います。(日本語タイトルで送信の場合、日本語システムを利用していない相手側では、文字化けして表示されますから。)
 ○「Cc:欄」は、カーボンコピー(Carbon copy)の略です。「To:」欄に指定した受け取り人以外に複数の相手に同じメッセージを送信したい時に、この欄にカンマで区切り複数のメールアドレスを記入します。
 ○「Bcc:欄」は、ブラインド・カーボンコピー(Blind carbon copy)の略です。「To:」欄に指定した受け取り人以外に複数の相手に同じメッセージを送信したい時に、この欄にカンマで区切り複数のメールアドレスを記入します。「Cc:欄」との違いは、ここに記入した情報は、ヘッダー情報として受信メールには、表示されないことです。すなわち、「Cc:欄」で指定した受取人には、自分以外に同様のメッセージを受け取った人がだれかが判明しますが、「BCc:欄」で指定した受取人には、自分以外に同様のメッセージを受け取った人の情報がわかりません。
 ○「X-Attachments:欄」は、本文のメッセージ(文字情報)に添付するファイルを指定します。 例えば、画像ファイル等もメッセージと一緒に送信できます。ただし、この時、添付ファイルのサイズに気をつけてください。ファイルサイズが大きすぎる場合は、相手のメールボックスをパンクさせたり、他のネットワークの負担(トラフィック大)になりかねないからです。

図4. メール基本操作

3. その他関連事項
 電子メール利用の際に必要と思われるキーワード等の関連事項の説明を以下にまとめます。

 ■POP:(Post Office Protocol)の略。メールを受信するためのプロトコルです。他人に盗まれないようにユーザー認証をした後、受信メールは、パソコン(クライアント)上にコピーされ、サーバー上に残っていない状態が通常です。
 ■IMAP:(Internet Message Access Protocol)の略。IMAPに対応したサーバーを利用すると受信メールはサーバーに置かれた状態で、複数のパソコン(クライアント)から参照できます。また、複数のユーザーが、1台のパソコンでメール利用する際に、利用されるプロトコルです。
 ■パソコン通信のメールと違い:10年ほど前、パソコン通信が流行した時期がありました。これは、パソコン通信の会員同士がパソコン通信専用のホストコンピュータを中心としてのメールの送受信です。 インターネット上の電子メールは、インターネットにつながっている世界中の相手同士でのコミュニケーション可能な仕組みであり、パソコン通信の会員間でのメールの仕組みと全く異なります。