インターネットとメディアについて

マルチメディアとインターネットとは、現代ではほとんど同じ意味で使われている。

メディアとは何のことであろうか。
メディアとは、情報を伝える手段、媒体のことである。
 medium 単数 media 複数
 例)Air is the medium of sound.  空気は音の媒体である。
わかりやすくいえば「何か情報を伝える手段」がメディアである。
 音、光、手旗信号、烽火(のろし)、言葉、文字、記号、絵、
 テレビ、ラジオ、映画、漫画、アニメ、歌、踊り、
 黒板、スライド、ビデオ、OHP、マイク、プリント、模型
 手話、筆談、ジェスチュア、ボディラングウェッジ、顔の色、声の調子
  要するにコミュニケーションに使えるものなら何でも。

送り手と受け手の間に、何か情報が伝わることが大事である。

古くからあるメディア
烽火(のろし)
 BC770 古代中国の周王朝に幽王という王がいて、諸侯の国がこれを支援していた。
 周王朝が敵から攻撃を受け危険になったとき、
 烽火を上げて諸侯に知らせることになっていた。
 あるとき
 誤って上げられた烽火を見て周王朝の危機とばかり集まった諸侯が、
 それが間違いだとわかってがっかり虚脱の顔をしたら、
 それまで全然笑わなかった妃が笑ったのだった。
 笑わなかった妃が始めて笑ったので幽王は嬉しくなり、
 部下に命令してわざと偽の烽火を上げさせた。
 こういうことが何度が続くとそのうち、
 みんな本気にしなくなり、誰も烽火を見てもとんでこなくなった。
 そして本当に敵が攻めてきた。
 慌てた幽王が烽火を上げさせたが、
 諸侯の援軍はなく幽王は殺され妃も連れ去られたという。
当時最先端のメディアも使い方を誤れば何の役にも立たなかったのである。
     

小説「モンテクリストゥ(岩窟王)」
 手旗信号手の買収、商品取引(株)情報
 右の信号機が送ってきた信号文を正しく左の信号手に伝えるのが信号手の役目。
 それなのに金で買収された信号手は偽の信号を送ってしまう。
 その結果、主人公を昔陥れた金持ちは、偽情報をつかまされ大損してしまう。
 こうして復讐は一歩ずつなされていく。

文字メディアと記号と絵
例その1) トイレの表示 (Damenの略)と(Herrenの略) → ドイツ語がわからないと理解できない。
 女の絵と男の絵、スカートと帽子などの絵が描いてあると誰でもわかる。
  言葉の知らない人には、絵の方がありがたい。
           

           
     
例その2) ドアの開け方 
 推と拉(中国語 pushとpullのこと)
 文字なら読めない人には理解できない。絵なら誰でもわかる。

ニューメディア(マルチメディア):電子工学の成果を利用したメディア
 コンピュータ機器、ネットワークによるメディアの活用
マルチメディアとは簡単に言えば
「TVと電話とFAXとPC(あるいはWS)とを一緒にしたようなもの」
 文字や音声のほかに画像や映像まで扱えるものである。
一昔前なら、使う機械によって機能は限定されていた。
(だから安心して、その機能に専念できる)
 電話は音声しか送られない。ワープロは文書の編集だけ。
 ビデオはビデオだけ。

マルチメディアは電子通信工学の発展によりできた
現代のメディアをまとめて使える総合システム

インターネットとは何か。
 interchange  高速道路のインターチェンジで、他の交通機関との乗換駅
 interface  境界面、相互作用(伝達)の手段
 international  国家間の、国際的
  change はバスや汽車の乗換え駅だが、interがついて
  interchangeになると、違う交通機関との乗換え駅になる。
  face は単なる表面で、interface になると、あるものの表面と
  別のものの表面が接触して、相互に作用を及ぼす領域となる。
  national は(ある)一国のという意味だが、interがついて
  international になると、国と国の間の関係をさす。
internetwork は、1つ1つの組織にネットワークがあって
それぞれ違う組織のネットワークどうしをつないだもの。
たとえば、A大学、B大学、C研究所のネットワークをつないだものを internet という。
歴史的に発展した足跡をたどると
 米国国防総省高等研究計画局のARPANETプロジェクト(1969) →
 大学院生が作った貧乏人のARPANET(バケツリレー) → 草の根BBS(1977) →
 インターネット分散処理(1983) → フリーソフト → 
 成果を無償公開 → 非営利目的 → 商業ネットも取込む
インターネットを 仮想空間、電脳空間 cyberspace と呼ぶ人もいる。

仮想商店街
 商品販売、ゲーム、カラオケ店、喫茶店、劇場空間

自宅で海外のゲームソフトや原書を安く早く買うことができる。
 支払は電子マネー クレジットカード番号で引き去り 
 パスワードとセキュリティの問題がおこる。 新しい商取引と規制ができてくる。

大学の研究室にいて、ルーブル美術館の絵を見たり、明治村の由緒ある建物の映像を見たりできる。

離れた場所にいるまだ見ぬ人とのひとときの会話を楽しむことができる。

情報のやりとりでは、利用価値が問題になる。
相手が欲しいと思う情報を流してやることが大切。
ホームページを作ったのはいいが、半年も1年も更新しないと魅力が無くなる。

自分の感動、喜び、憧れを世界に伝える。
つまり、インターネットを自己理解、再発見、自己実現のために使う。

人間同士をお互いに理解するためのツールである。
職場以外の人間関係、出会いのメディア、教える喜び、生きがいを体験できる。

コンピュータ通信:インターネットとパソコン通信
 パソコン通信はホスト機と端末との親子関係なのに、インターネットは対等な関係。
 <コンピュータ通信は、時間と空間を越える>
マスメディア(マスコミ)とインターネットの違い
 一方通行のコミュニケーションと双方向のコミュニケーション
 インターネットは民主的

電子メール  電子の郵便
アドレス(世界に一つの住所)

電子メールを送るときの心得
・あて先の確認を慎重に
・簡潔で内容がわかる題名をつける
・差出人と連絡先を明記する
・適度なところで改行する
・相手のために長文を送らない
・送る前にもう一度読み直す
・送信する内容には慎重に、受信する内容には寛大に
・他人に知られたくない個人情報や非公開情報は書かない
・電子メールは毎日読む習慣をつけることが大切である。

FTP  ファイルの転送

WWW(ワールド・ワイド・ウェッブ) 世界の画像が見られる。
WWWを活用するためには
・何をどのような目的で、誰に向けて発信するのかコンセプトを明確に。
・WWWは立ち上げることよりも、日々の内容の更新が大切。
・相互主義、分散処理、自分の詳しいことを発信し、知っていることを
分かち合う。手をつないで世界規模の百科事典を作る。

便利さと、その裏がえしの落し穴。(すべてのものには裏と表がある)
 電話 距離を越えるが、迷惑にもなる。しつこい電話(犯罪)
 カード社会 キャッシュレス(海外旅行で便利) 使い過ぎて個人破産
 盗まれたパスワード、身に覚えのない請求書。
 電子メール 時間と空間を越えるが、書き方が悪いと誤解をまねいたり気忙しくさせる。
 WWW 仮想の世界にひたりっきり現実逃避

メディアは使い方しだいで、毒にも薬にもなる。(テレビ、漫画、携帯電話)
 テレビ放映を盲信しないこと。 CMを批判的に見る。
 コミックは思考を弱体させるか? 文章以上の情報を伝えるか?
 マルチ人間は誰でもなれるわけではない。運転中の携帯電話は事故のもと。

使う人間がしっかりしていないといけない。
 情報の管理・整理整頓
 人間性の尊重
 インターネット時代の表現力
 インターネット時代のコミュニケーション技術
電子メールと面談の使い分け。

メディアは道具。大事なことは、それを人間が使いこなすこと。

何のために、どう使うか、考えながら使っていこう。

人間としての倫理観を育てて、素直な感動をのばすような教育がのぞまれる。

情報処理4大機能
・情報を蓄積する。
・情報を検索する。
・情報を加工する。
・情報を伝える。

インターネットで守るべきこと
インターネットといえども、世間の常識は守らないといけない。
麻薬の売買など法律違反をすることは当然許されない。
不正侵入やシステム破壊や著作権侵害は法律で裁かれる。
インターネットのマナー、エチケット(ネットワークのエチケットという意味で
ネチケットという言葉が使われている)がある。
ネチケットガイドラインとして次のものが有名である。
WWW http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/netiquette/rfc1855j.html
または http://www.edu.ipa.go.jp/mirrors/togane-ghs/netiquette/rfc1855j.html