岩手県立大学盛岡短期大学部の高野淳一先生のお祝いの文章
科学談話会と私
岩手県立大学盛岡短期大学部 高野淳一
盛岡市立図書館科学談話会が、今年平成30年に70周年を迎えますこと、誠に喜ばしく、
関係各位に心から敬意を表したいと思います。
私と科学談話会との関係は、平成13年に私が縁有って岩手県立大学盛岡短期大学部に
赴任した年の冬、当時県立大学の幹事をつとめていらっしゃった高橋富士雄先生からの
お声がけで、平成14年1月25日に、「中国の医学」というタイトルで講演させていただいた
のが始まりです。その時々の研究者たちの最新の研究成果に触れることの出来る良い機会
であり、盛岡、岩手県の学術の状況を良く知るよすがとなると考え、毎月の例会には
できるだけ参加させていただくようにしておりました。そのご、高橋富士雄先生の定年
ご退職に伴い、平成19年から岩手県立大学の幹事をつとめさせていただいております。
私自身は、文学部出身で、中国思想を専門としておりますことから、人文科学という
言い方がありこそすれ、いわゆる「科学」とはおよそ縁遠いところで仕事をしているの
ですが、毎月例会の先生方のお話しは、場合によっては正直少々ちんぷんかんぷんなことも
ありますが、それでも大いに知的刺激を受け、自分の知らない世界、研究についての視野が開
けていくような感じを受けています。幹事をつとめている間、少々体調を崩して1年間ほど
休ませていただいた時期もありましたが、その間ご配慮もいただき、今日に至っています。
なにより感じますことは、講師の先生方のそれぞれのご研究の専門分野に注いでいらっ
しゃる情熱、「オタク」とも言えるその熱中振りが、私にとっては大変興味深く、また
刺激ともなるところです。70年間、毎月1回の例会を途切れることなく続けてこられたのが
大きな驚きなのですが、それもひとえに、そうした「オタク」たちの情熱があってこそ
ではなかろうかと考えます。
今後も、尊敬する「オタク」たちのお話し、活躍ぶりを眼にし、私も研究者としては
かくありたいと思うような場であってほしいと望んでいます。
末尾になりましたが、この会は、盛岡市立図書館の財政面を含めた全面的なご支援、
図書館職員の皆様の献身的な働きが無かったらここまで続いてこなかったと思います。
この場を借りまして、改めて心からの感謝を申し上げ、私のご挨拶とさせていただきます。
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