岩手県立大学盛岡短期大学部の高野淳一先生のお祝いの文章

  科学談話会と私               岩手県立大学盛岡短期大学部  高野淳一 平成13年に縁あって岩手県立大学にお世話になることとなり、同年12月に県立大学公開 講座で講演する機会がありました。その演題「中国の身体観と医学」が当時科学談話会の 幹事をなさっていた高橋富士雄先生のお目に止まったらしく、お誘いいただき、翌平成14 年1月例会で「中国の医学」というテーマでお話しさせていただいたのが、科学談話会と 私との関わりの始まりです。 私が専門に研究しているのは中国中世、6〜8世紀頃の仏教思想です。一般市民、県民 の方々を対象とした講座であることから、直接専門領域ではないもののいささかの知識を 持ち合わせていた「中国の医学」を講演テーマに選んだのですが、何しろ公開講演は初め てのことでもあり、岩手大学の宮本裕先生から「秘孔というのは有るのですか」と突っ込 まれ、しどろもどろの答えをしたことを覚えています。 後で聞いたのですが、私の妻が盛岡で高校生だった時、もうかなり前のことになります が、科学談話会でコスモスの色のつき方、遺伝の仕方について講演を聞いたことがあった のだそうです。既に以前から何がしかの縁が有ったということなのでしょう。13年1月以 降、特に差し障りの無いとき以外は、妻と二人で毎回例会に出席させていただき、諸先生 方のお話を興味深く拝聴して参りました。 大学も最近は地域貢献ということがさかんに言われます。私自身、専門領域に関わって の地域貢献はなかなか難しいものですから、科学談話会に出席することを通してなにがし かの情報収集をしたいという下心が有ったのですが、回を重ねて先生方のさまざまなお話 しをうかがっておりますと、そうした利己的な目的よりも何よりも、知的興奮、知的刺激 を受けることができる貴重な場として、科学談話会は大きな意味を持つようになりました。 勿論、月一回恒例の、妻とのデートの場としても。 平成19年3月一杯で高橋富士雄先生がご退職なさって以後、県立大学の幹事をつとめさ せていただいております。また本年20年度一年間、お世話役として、講師の依頼、会計の 差配等々、担当させていただいております。他の先生方に比べますと、若輩、新米幹事で はありますが、さまざまな先生方から面白いお話しをうかがえる喜びを、今後も大切にし ていきたいと考えています。

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