PCカンファレンスの原稿(1次案)です。
2008年8月6日(水)〜8日(金) 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス
原稿締切は5月末日です。
1行47文字(以下45文字にする) 43行 2ページ
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自作教育用HPとアイアシスタントの体験について 岩手大学工学部 宮本 裕・岩崎正二・出戸秀明 岩手大学農学部 岡田幸助 岩手大学総合情報処理センター 吉田等明
1.まえがき 著者らは教育にインターネットを活用することを長年行ってきた。自作のHPに教材やシラバスなどの教育資料を載せて学生の参考に供し、質問や意見や課題提出などを電子メールで受け付けてきた。これらの一連の活動はPCカンファレンスで発表してきた。 最近、本学においてアイアシスタントという教員の教育活動支援システムのサービスが行われるようになり、多くの教員や学生が利用するようになってきた。 これらのインターネット利用の教育サービスを体験して、教員や学生の側から広く感想や意見を集め、今後の運用の参考となる資料を提示するものである。 2.自作の教育用HP 著者(宮本)は1998(平成10)年から教育用のHPを立ち上げ、シラバスや教材などを提示してきた。それらのいくつかの使用例については、このPCカンファレンスで紹介してきた。 ちなみに、2008(平成20)年度の下記の担当科目がHPに掲載されている。 ・ 構造力学1(建設環境工学科1年生) ・構造力学2(建設環境工学科1年生) ・ 鋼構造設計学(建設環境工学科3年生) ・建設設計製図(建設環境工学科3年生) ・フーリエ・ラプラス変換(応用化学科) ・建設環境工学通論(応用化学科・材料物性工学科3年生) ・特別演習1(建設環境工学科3年生) ・卒業研究(建設環境工学科4年生) ・構造特論(大学院建設環境工学専攻) この他にも、特別講演や出前講義などの概要や資料を必要に応じてHPに掲載してある。それらは、著者等が必要なときに閲覧できるようにしている。 学生にはインターネットで見ることができることは知らせてある。またアドレスが知りたければ著者(宮本)にメールを送ればよいとも言っているが、これらのHPを見て役立てている学生は少ないのが実態である。 3.アイアシスタント アイアシスタントは岩手大学教育総合センターが全学の教員と学生のために支援する教員の教育活動支援システムのことである。利用者は端末画面から下記のようなメニュー項目の一覧を表示することができる。 ・シラバス(学生に対して科目情報を提供する) ・担当科目 一覧(年度ごとの担当科目が一覧として表示される) 学習記録(学生の学習記録を見ることができる) ・学習支援 iカード(Webを利用したレスポンスカードである。教員が出題したiカードに 学生が文章を入力して提出できる) アンケート(Webを利用したアンケートを、作成、集計できる) ・コミュニケーション お喜楽板(教員と履修学生間のコミュニケーション手段としての電子掲示板) ・科目閲覧(岩手大学の善授業科目を対象とした検索ができる) ・大学教育総合センター 、 お知らせ(センターから配布した文書や資料類は、ここからダウンロードできる) ご意見・ご要望(アイアシスタントに関する意見・要望) これらの機能については、現在のところ一部だけしか利用されていないようである。その原因は、アイアシスタントに慣れていない教員側にも学生側にも、それぞれありそうである。教員側に比べて、学生側では端末数が利用できる場所が不足しているという声が聞かれる。 6.あとがき インターネットは教員にとっても学生にとってももはや常識という世の中になったが、著者の経験でも担当科目を受講する学生のアンケートをとると、著者のHPを閲覧したことのない学生が半数以上いる場合もあるし、電子メールによる課題提出を要求しても1年生の時に体験した電子メールの使用法を忘れてしまって新たに学んだりする者もいるし、携帯電話からメールを送ってくる学生もいる。一方の教員にしても、大学教育総合センターが用意した教育支援システムのアイアシスタントを積極的に利用しない教員も少なくない。 著者の作成したHPとアイアシスタントはそれぞれの特徴があって、いちがいに比較することはできない。むしろそれぞれの特性を活用するようにして、補完しながら使用するのがよいと思われる。 インターネットを教育に利用する場合、十分な端末数や回線設備の設置も大切だし利用する上でのソフトの使いやすさも重要なポイントである。なによりも、教育を与える側と受ける側のそれぞれの意識や積極的に取り組む姿勢が肝心なことであり、その意識をよい方向に変えていくことは、大学管理者や教員や学生がそれぞれの立場でするべきことである。 参考文献 1)宮本裕他(2001.12):教員の自己評価のためのホームページの利用、工学教育プログラム改革推進研究発表会、一橋記念講堂(学術総合センター) 2)宮本裕他(2006.8):建設環境工学通論の授業評価に関する考察、PCカンファレンス、立命館新潟大学