マルチメディアとインターネット
現在、マルチメディアとインターネットとはほとんど同じ意味で使われている。
メディア
ニューメディア マルチメディア マスメディア
メディアとは、情報を伝える手段、媒体のことである。
medium 単数 media 複数
例)Air is the medium of sound. 空気は音の媒体である。
わかりやすくいえば「何か情報を伝える手段」
音、光、手旗信号、烽火(のろし)、言葉、文字、記号、絵、
テレビ、ラジオ、映画、漫画、アニメ、歌、踊り、
黒板、スライド、ビデオ、OHP、マイク、プリント、模型
手話、筆談、ジェスチュア、ボディラングウェッジ、顔の色、声の調子
要するにコミュニケーションに使えるものなら何でも。
送り手と受け手の間に、何か情報が伝わることが大事である。
文字メディアと記号と絵
例)トイレの表示 D(Damenの略)とH(Herrenの略) ← ドイツでの表現
女の絵と男の絵 スカートと帽子
デンマークのレストランでも、男性トイレにH文字だけ書かれてあった。
言葉の知らない人には、絵の方がありがたい。
ニューメディア:電子工学の成果を利用したメディア
コンピュータ機器、ネットワークによるメディアの活用
マルチメディアとは簡単に言えば
「TVと電話とFAXとPC(あるいはWS)とを一緒にしたようなもの」
文字や音声のほかに画像や映像まで扱えるものである。
一昔前なら、使う機械によって機能は限定されていた。
(だから安心して、その機能に専念できる)
電話は音声しか送られない。ワープロは文書の編集だけ。 ビデオはビデオだけ。
インターネットとは何か。
interchange 高速道路のインターチェンジで、他の交通機関との乗換駅
interface 境界面、相互作用(伝達)の手段
international 国家間の、国際的
change はバスや汽車の乗換え駅だが、interがついて
interchangeになると、違う交通機関との乗換え駅になる。
face は単なる表面で、interface になると、あるものの表面と
別のものの表面が接触して、相互に作用を及ぼす領域となる。
national は(ある)一国のという意味だが、interがついて
international になると、国と国の間の関係をさす。
internetwork は、1つ1つの組織にネットワークがあって
それぞれ違う組織のネットワークどうしをつないだもの。
たとえば、A大学、B大学、C研究所のネットワークをつないだものを internet という。
歴史的に発展した足跡をたどると
米国国防総省高等研究計画局のARPANETプロジェクト(1969) →
大学院生が作った貧乏人のARPANET(バケツリレー) → 草の根BBS(1977) →
インターネット分散処理(1983) → フリーソフト →
成果を無償公開 → 非営利目的 → 商業ネットも取込む
インターネットを 仮想空間、電脳空間 cyberspace と呼ぶ人もいる。
仮想商店街
商品販売、ゲーム、カラオケ店、喫茶店、劇場空間
自宅で海外のゲームソフトや原書を安く早く買うことができる。
支払は電子マネー クレジットカード番号で引き去り
パスワードとセキュリティの問題がおこる。 新しい商取引と規制ができてくる。
大学の研究室にいて、ルーブル美術館の絵を見たり、明治村の由緒ある建物の映像を見たりできる。
離れた場所にいるまだ見ぬ人とのひとときの会話を楽しむことができる。
情報のやりとりでは、利用価値が問題になる。
相手が欲しいと思う情報を流してやることが大切。
(自分だけ満足していないか。人のカラオケを聞く人は少ない。ジャイアンの歌?)
ホームページを作ったのはいいが、半年も1年も更新しないと魅力が無くなる。
コンピュータ通信:インターネットとパソコン通信
パソコン通信はホスト機と端末との親子関係なのに、インターネットは対等な関係。
<コンピュータ通信は、時間と空間を越える>
マスメディア(マスコミ)とインターネットの違い
一方通行のコミュニケーションと双方向のコミュニケーション
(インターネットは民主的)
インターネットはギブ&テイクで始まった。
アドレス(世界に一つの住所)
電子メール 電子の郵便
電子メールのマナー 五カ条
・あて先確認慎重に
・簡潔で内容がわかる題名をつける
・あて先と差出人は冒頭に
・適度なところで改行する
・署名では連絡先を明記する
(日本経済新聞 1998.3.25)
FTP ファイルの転送
WWW(ワールド・ワイド・ウェッブ) 世界の画像が見られる。
WWWを活用するためには
・何をどのような目的で、誰に向けて発信するのかコンセプトを明確に。
・WWWは立ち上げることよりも、日々の内容の更新が大切。
・相互主義、分散処理、自分の詳しいことを発信し、知っていることを
分かち合う。手をつないで世界規模の百科事典を作る。
便利さと、その裏がえしの落し穴。(すべてのものには裏と表がある)
カード社会 キャッシュレス(海外旅行で便利) 使い過ぎて個人破産
盗まれたパスワード、身に覚えのない請求書。
電子メール 時間と空間を越えるが、書き方が悪いと誤解をまねいたり気忙しくさせる。
WWW 仮想の世界にひたりっきり現実逃避
使う人間がしっかりしていないといけない。
情報の管理・整理整頓
人間性の尊重
インターネット時代の表現力
インターネット時代のコミュニケーション技術
電子メールと面談の使い分け。電子メールは送る前にもう一度読み直そう。
若い人のメールにいちいち目くじらを立てない。
◎機械は機械でしかない。人間が偉い(はず)。
◎メディアは道具。大事なことは、それを人間が使いこなすこと。
◎何のために、どう使うか、そこが大事である。
96PCカンファレンス特別講演
ある専門分野において、ジャーナルなどに原稿が印刷されて載るよりも以前に、
原稿の段階で仲間うちに流布することはある。
これは underground grapevine(秘密の人脈網)というが、この情報の
流れからはずれてしまうと、公開された雑誌の論文を見るまでは今の研究動向
がどうなっているかわからない。研究上の話題というのは雑誌に載った段階
ではすでに終わっている側面がかなりあるので、その情報の流れの中に
乗っているかどうかが、研究者として第一線の話題についていけるかどうかの
境目になる。
インターネットが盛んになって、FTP、ウェブなどで研究論文の草稿が
どこにあるかを知って、FTPで持ってくるという体制がとれるようになった。
ネットワークにアクセスがない人たちは、相変わらず印刷された、あるいは
公刊された本や雑誌に載った論文という形でしか情報を得ることができない
わけである。それに対して、ネットワークにアクセスできれば、それ以前の
まだ議論が熱い段階の情報に触れることができる。
インターネットのIDを取るということは、場合によっては外からわけの
分からない電子メールが学生のところに直接届く可能性があるということだ。
ちょうど電話をアパートの自宅にひいたとき、わけの分からないセールスや勧誘の電話
がくるのと似ている。
パソコンのソフトの不正コピーはいけないことは知っている。
しかし、WWWホームページとなると、どこかよそでみつけたものを自分の
ホームページにあげる、あるいは雑誌の付録についていた絵や写真がきれいだから
自分のホームページにあげるということが非常に簡単にできてしまう。
最近はインターネットも商業利用がさかんになってきて著作権をうるさくいう
傾向が強くなってきたので、非常に難しい問題になっている。
勝手にコピーして自分で使っている分には外から見えないが、ウェブの場合
張り付けたものが全部外から見えてしまうので、問題がすっかり顕在化する。
(原田康也、`96PCカンファレンス報告集)
ホームページを利用した講義の紹介
構造力学1(1年生)
構造工学特論(修士課程)
OHP原稿その1(タイトル)