夏休み前に試験を

私がかねがね思っていることですが、夏休み前に講義も試験も終わらせては
どうかということです。

今の学年暦では、7月20日から8月末まで夏休みで、9月になって
講義を始めて1〜2回で、まず教養の試験それから専門の試験と続きます。
どうも学生諸君を見ていると、9月になって学校に出てきても頭は夏休みのまま
活性化していない。それで講義を2回くらい行ってやっと調子が出てきたら
今度は試験となってしまいます。9月の講義は効率が悪い。

そんなわけで、私の建設環境工学科の3年生の学生に
(1)現行の7月20日から8月31日まで夏休み。9月に2回ほど講義をしてから試験。
(2)新しい案として7月いっぱい講義と試験にあて、8月は夏休み、9月も原則として
講義も試験もなし。
ただし9月には集中講義や教育実習やインターンシップ(職場実習)
などを希望者にはあてる。中には成績不審者は、先生が補講そして再試験ということもあり。
そして、どちらの案についても、メリットとデメリットを整理してもらいました。

統計をとったわけではありませんが、だいたいの傾向としては
現行の学年暦よりは、7月中に講義も試験も終わった方がいいという学生が
多かったようです。

以下に学生のメリット・デメリットをまとめたものを紹介します。

現行の学年暦のメリット
・暑いときに夏休みになって休める。
・夏休みに勉強する時間をとれる。
現行の学年暦のデメリット
・夏休みで覚えていたことも忘れがちになり、試験を受けるとき最上のコンデションではない。

新提案の学年暦のメリット
・講義を受けた後すぐなので、記憶も残っているうちに試験を受けられる。
・試験がすんで夏休みを落ち着いてとることができる。
・郷里に帰っても他の大学の友人たちと同じスケジュールですごせる。
新提案の学年暦のデメリット
・暑い7月末に試験をするので辛い。

全国的傾向として、試験をしてから夏休みという大学が増えています。
特に私大はこの方式が支配的な傾向だと思います
(東北の主な私大の土木の先生と一緒に構造力学の教科書を書いていて、
学年暦の情報交換をしています)。
今年の夏に会った鳥取大学の先生から聞いたら、鳥取大学も
今年から7月いっぱいで定期試験を終えたとのこと。
9月に教職免許の件で岩手大学工学部に調査に来られた福井大学の先生に聞いたら、
福井大学、金沢大学、富山大学も7月試験の方式になったという。

岩手大学の学生が郷里に帰って、高校時代の友人たちの学年暦と違って
まごつく様子が目にうかびます。

なお補足ですが、新提案の学年暦の場合に、入学式を早くして新入生歓迎行事も
現在よりつめることをセットに考えています。これは全学の委員会で検討中。
こうしたら現行より2回くらい講義回数が増えるので、9月の講義を7月までに
やってしまえるから、現行と講義回数は同じと考えています。

結局、平成13年の4月から、ここで提案している学年暦に変わるようです。
7月の最後の週から8月にかけて期末試験をする。
教育実習、インターンシップ、教職員のFDなどの期間をとらないと、
みんな新時代についていけませんから。。
私の提案を聞いて、学年歴変更の実現をはかった学生部長を評価します。