川端康成「浅草紅団」

浅草に水族館と昆虫館のあった頃   (花屋敷の南にあった)    /   川端康成「浅草紅団」のこと 明治39年の地図 昆虫館と水族館が隣り合わせに存在 関東大震災(大正12年)で焼け、水族館は再建されたが、 二階は天竜座という演芸場にして 客寄せしなければ客が来ない。  かくしてカジノ・フォウリイの誕生 昆虫館のほうはなくなり 標本は (本家の)岐阜の名和昆虫博物館に移されたという。      川端康成「浅草紅団」の中には「昆虫館」が出てくる。     −−−−  昆虫館の娘が、木馬にまたがった「お嬢ちゃん」を抱き上げ 表に飛び出して花火を見せる。  小屋の中では楽団がはじまり、木馬が廻りだす。  お隣は水族館だ。二階はカジノ・フォウリイ舞踏団のレヴュウだ。    −−− 「浅草紅団」は1929年(昭和4年)、『東京朝日新聞』夕刊12月12日号から翌1930年(昭和5年)2月16日号まで37回にわたり連載された。