白水 隆 しろうず・たかし

松村松年(1872−1960)が日本の昆虫学の開祖として
北海道帝国大学農学部において研究したから
特に北方の蝶や高山蝶は得意分野であった。
日本の高山蝶にはほとんどすべて命名者として
松村の名前がつけられている。

これに対して、九州大学教授だった白水隆は、
地の利を得て南方の蝶の研究に業績を上げた。
私が見るところ、北海道の松村、九州の白水が
それぞれ日本の蝶の研究の代表者であったろう。
フィールドが近くにあったほうが観察研究に有利
だから、東京などのような大都会の研究者の影は薄い。

九州大学名誉教授白水隆は、平成16年4月2日に
急性心不全で亡くなりました。86歳でした。

☆   ☆   ☆
私は白水教授の部屋で、膨大な蝶の標本を見せて
いただいたことがある。岡野先生から送られてきた
チョウセンアカシジミの100頭にも及ぶ標本も。
博多で白水博士と一度だけ紹興酒を飲みながら
中華料理を食べたのは想い出となった。