盛岡東RC
私の留学生がお世話になっている盛岡東RCでスピーチをする機会がありました。
2003.9.1です。
「研究と国際交流の歴史」 私はドイツのアレキサンダー・フォン・フンボルト財団の奨学金を得て、 1981年8月から1年2ヶ月ドイツ留学しました。楽しいことや苦しいことや 心細いことがあった留学経験により岩手大学に来る留学生をできるだけ 世話しています。文部省の奨学金を得た方東平氏(西安交通大学の教授推薦、 現在北京の清華大学工学部の教授)や段梅さん(四川省成都の西南交通大学 の学長推薦、現在オーストラリアの大学で研究中)の他に私費留学生の 呂杰氏の印象が深いです。日本入国ビザの手続きからはじまり盛岡で 生活費や研究生の授業料、大学院の入学金等経済的な壁を実感しました。 彼がロータリー財団の奨学金を受けられて非常に嬉しかったのです。 呂氏は上海で日中貿易の仕事をしています。現在私は中国瀋陽工業大学 の魏華さんの研究指導をしていますが、皆さま方のおかげでロータリー奨学金 という経済的な裏づけができ魏華さんは既に3編の論文を発表し1年半後に 博士号を得ることは確実です。文部科学省後援の留学生のための日本の 大学説明会に岩手大学から初参加したのが縁で岩手大学に10名のシルクロード の留学生を世話してきました。シルクロードの留学生を支援する ボランティア団体日本シルクロード倶楽部の理事の東ケ崎忠氏の祖父は 東ケ崎潔氏でRI会長(1968-69)でした。ちょうど1週間前にソウルで、 韓国のシュヴァイツァーと言われる恵聖病院長林隆義博士に会って来ました。 京都大学に留学しロータリー財団のお世話になった林博士は、 国際ロータリー第3650地区ガバナー(1997-98)を務め、カザフスタン の原爆実験場で白血病の子どもたちを治療したり、北朝鮮の飢えた子どもたち のため韓国で募金して赤十字を通じ援助しています。力学と数学を使って 丈夫で美しい橋を作るのが私の研究です。橋とは離れたものとものを つなぐものです。岩手で学んだ留学生が将来日本と留学生の母国の かけ渡しとなるでしょう。留学生の中には先に紹介した韓国の林博士のように ロータリー財団に関わったり恵まれない人たちに積極的に手をさしのべる人が きっと出てきます。人は一人では生きていけません。人は人を助けたり、 助けられたりして生きる意味を感じるのです。ロータリーの皆さまの 温かい支援を受け留学生たちは日本の研究生活を有意義に送ることができます。 ここに感謝します。