海外出張マニュアル

海外出張マニュアル (元土木学会東北支部長、現東北P社社長の阿部壽氏の手になるもの) (あまり実用的ですばらしくて、ここに許可を得て転載します) 1.海外旅行にぜひ必要な、会議への申し込み、ホテルの申込み、バスポート取得、  予防注射、航空券購入、外貨購入等は会議主件、旅行業者等から指示がくるが、  期日おくれが出易いので大きな大工程を作り、十分余裕をもって対応すること。 2.パスポ−トの取得はいろいろの手続きが必要であり、これが取れないと他に  手続きが不可能なものがあるので特に余裕をもってとること。 3.パスポ−トに添貼布する写真はインスタントは駄目。藤崎あたりにその旨を  申込めば2〜3日でとれる。承収書は保管のこと。 4.パスポートの取得には写真2枚の他に住民票と、戸籍抄本の(写〉、写真2枚  が必要である。戸籍抄本は地元にないときは、手紙で本籍地で請求可能である。   請求代に釣銭が必要なときも市役所では、郵便局扱いとして金券を送ってくる。  所要日数は5〜6日程度である。 5.パスポートを海外で紛失した場合は、写真2枚、戸籍抄本、住民票の(写)  が各1枚あれば、再発行可能なのであらかじめこの分を海外に携帯すれば安心である。 6.パスポートを海外で必要とするのは次の場合であるので、その時、いつも取  出せるように準備する必要がある。  (1)出国のとき、入国のとき空港、国境で  (2)トラベラーズチェックを現金化するとき  (3)免税店で買物をするとき  (4)海外から小包みを送るとき 7.外国の人と話をするのに、いろいろと道具があった方がいい。会社でやっている  土木工作物の写真、会社の事業内容を説明する英文のパンフレットから家族の写真  何でもいい。 8.英語を話す場合は、次の3点を忘れないこと。   ・文章はできるだけ短く   ・大きな声で   ・いつも笑顔で 9.土木学会の用語集を持っていくとよい。 10.旅行には盛んにカメラを使用するが、できれば年,月,日が入るカメラがいい。  又、急いでとることが多いので旅行に行く前に2〜3本取って扱い方になれておく  必要がある。 11.カメラのフラッシュ用の電池は中々買いにくいので、あらかじめ持参する方が  いい。 12.技術的な調査をする時、虫メガネやスケール(2m巻尺)があれば便利である。 13.筆記用具は、シャープペンより水性のペンが力がいらないので使い易い。 14.写真のフィルムは当然X線防止袋に入れることになるが、大量に送る分はトランク  の中に入れるとして、カメラにセットしてあるものも×線を通すよう指示される   ことがあるのでカメラを入れる袋ももう一つ用意する方がいい。 15.その他パスポートの番号のみほしい時もあるので、ノートに記入して持っている   方が便利である。 16.海外では印鑑がなくサインなので、常にボールペン等を携持する必要がある。 17.サインはローマ字、日本字でもいい。只、いつも同じ形になるようなものを選ぶ   必要がある。  (1)日本字の場合は、書き易く、いつも同じ形を作り易いが外人が読めないという     デメリットがあるがこれはあまり大したことではなく、日本字で書いた場合は、   その他にローマ字で書く必要も出てくる。  (2)ローマ字でかいた時に外人も読めるので便利であるが、2度と書けないことが   ないように余りくずさない字を書いた方がいい。 18.大ダム会議のように同じ会議に連続して出席する場合は、前に出席した人から    親しくした人は誰かきいておくと郡合がよい。 19.出張中はいろいろ忙しく時間に追われる中で、日記をつける必要があるが、あまり   細かく正確に書くつもりだと時間がかかって結局止めてしまうことになりかねない。  簡単に書けるように、あまり細い事は書かないつもりで書いた方が逆にいい記録を   のこせてよい。 20.トラベラーズチェックの現金化は、ホテル、デパート、免税店、税関、銀行等で   出来るが、それぞれ現金化の率が違うので、できるだけ有利なところで現金化する  方がいい。大たいの順序は銀行、税関、デパート〈一部)、つづいて、デパート、  ホテル等の順序であるが、その時によって異なるので一応確認する必要がある。  まず率が常にいいのは銀行と考えてよい。 21.トラベラーズチェックの現金化に当っては、金種に希望があれば、その旨申出るこ   と。大低は大きな金となることが多い。 22.銀行、大きなデパート、免税店等ではドルは勿論円でもいいところもある。どれ   が有利かは一概に言えない。 23.普通空港より入国することが多いが、空港で入国検査が終ったらすぐ若千現金化  する必要がある。  タクシー代金、ホテルのチップ、トイレの使用等に必要だからである。 24.現金化した金は「紙へい」はいいが、硬貨はその国を出ると取替えはできず事実上  使用できないので、あまり余らないように注意すべきである。 25.買物をする時には、その国の金にドル又はトラベラーズチェックを加算して支払う   ことも案外簡単であるが、トラベラーズチェックは割と高額なので実際には難しい。  小額のドルをのこしておくと便利である。 26.ホテルでは「レセプション」が「チェック・イン」と鍵の受渡し、「インフォー  メーション」が手紙や伝言や案内、「キャッシャー」が宿泊費の精算、チエックア     ウトの係である。 27.外国のホテルは、日本の2階を1階という。 28.風呂、洗面所などで操作がわからず水・湯をとめられないことがないように十分     練習してからバス等を使うこと。トイレも同じです。 29.タオルは外国のものは、顔を洗うには大きくて固くて使えません。自分で用意し   たほうが便利です。 30.水道のお湯は汚ないので飲まないこと。 31.外国のホテル等では、計算が本当に苦手で、小さい金額でも相当時間がかかると   考えるべきである。   したがって、出来ればホテルでは個人の支払いをなくすようにエ夫するのも一つ   の方法である。 32.エレベーターは、ホテル内に簡易なものがある。これは前にきてもドアはあかな     いし、目的の階にとまってもドアはあかない。すべて自分で。 33.ホテルに入ったら、大きなトランク、小さなバック共鍵をかけておくことが望ま   しいが、日常鍵を使いなれていない場合は、意外にめんどうなものである。   出掛けに鍵をかけようとしても鍵が見つからなかったり、かからなかったりして   所定の時間におくれたりすることがある。   この場合は、当社が頼む旅行業者の世話するホテルは安全性が高いと考えられる   ので、パスポート、現金、トラベラーズチェックを身につけていれば、カメラぐらい   の他は他人にとって価値あるものが少ないので割り切って鍵をかけない方がいいよ   うである。 34.ホテルから出るときは必らず、部屋の中に鍵をかけなければならないので、鍵の     かけ方をあらかじめ慣れておく必要がある。部屋に入ったら直ちに鍵の数、鍵のか   け方を確認し、鍵のおく場所をきめておくのがよい。 35.トランク、バック等自分で鍵を持参する場合は、大低2組あるのが普通なので、  2組の別々にして保管しておく方が万一紛失しても安全でよい。 36.ホテルに入ったら、夕食、朝食、洗濯物などの手配をしなければならない。特に   朝食については、旅行業者あるいは団長の方からも指示がないことがある。   朝食は、ホテルの食堂でとる場合と、部屋でとる場合などあらかじめきめられて   いる場合がある。部屋でとる場合はあらかじめ、何も指示されなくても、記入用紙   が部屋の中においてあって、それをドアのノブに記入して掛けておくことによって、  翌朝部屋に持ち込まれることがあり、それを怠ると食事がとれないことがあるので   前の日のうちに確認しておくこと。   この場合は勿論チップが必要であるが、食堂でとってもチップが必要なので、  特に高いということではないようである。 37.朝食の記入用紙はいろいろあるが、普通はホテル代に朝食が含まれており、この  場合の食事の内容もきまっていることが多いようである。きまっている食事の種類  は太枠の中のものを指し、枠の外のものはオプションとして別料金になることが多い。  この場合は、個々の料金もきまており、個人払いとなる。金額的にはたいした  事はないが払い忘れがないように支払いのときに注意しておくこと。普通は何も  云われなくても支払いの中に入っているが、知らないと金があわないと思って、  フロントともめることがある。 38.フロントの支払いでは、団体の場合は、個人で電話、オーダー、オプション、  クリーニング、ミニバー等がなければ何も支払いがない。   しかし、個人で上記のものを取った時にはフロントで支払う必要がある。しかし、  フロントはどこでも計算が苦手で以外に時間がかかる。言葉が通じないので急いで   いても割こむこともむずかしい。   次の日の朝が早くてめんどうだと思うときは、できるだけ支払いをなくしておく   方が気が楽である。 39.クリーニングは部屋の中の棚などにビニール袋が用意されていて、これに洗濯物   を入れて、部屋のドアのノブにかけておけば夕方まで出来上ることが多い。 40.部屋に入るといろんなところにパンフレットが入っている。   これらは読みにくいので、そのままにし勝ちであるが夕食、朝食、クリーニング、  ミニバー等の方法が書いてあるので、部屋に入ったらこれらのパンフレットに出来   るだけ早く目を通すこと。 41.部屋の電話は、部屋の番号と同じ場合とそうでない場合があるので、あらかじめ   確認しておくこと。   又、同行した人のうち団長、友達の部屋を確認しておかないと、後で連絡がとれ  なくなるので注意のこと。 42.自分で洗濯する場合は、特別に物干しを用意してもいいが壁によっては取付かな  いことがある。この時は、バスの力−テンのレールに干すと特に何もなくても十分   である。 43.インスタント食品を持参する場合は、味噌汁は簡単に作れるが、ラーメンは相当   熱いお湯が必要なので、うまく作ることは難しい。どうしてもほしい時は外国で、  ポットを買った方が簡単でよい。電圧サイクルにあわせたものが簡単に買えるよう   である。ドライヤ−も同じ。 44.ホテルの食堂、レストランを含めて、席に自分で座ってはダメ。ホテルの食堂で  も入口に立てばボーイが寄ってくる。そこで席をきめてもらって座る。レストラン  では、チップが必要のようである。 45.ホテルの食堂では、ネクタイの着用はなくてもいい。ラフなスタイルの人も多い。  これは朝、夕おなじである。 46.レストランで注文しにくい場合は、大低の定食があるのでそれをきいて頼めば安  全である。 47.外国で肉を頼む場合。フランスでは「ステ一キ」は最も安い固い肉で、いい肉は  「ヒレ」であった。 48.レストランの勘定は、レジではなくその席でするのが普通である。勘定は、  「チェック プリーズ」でOK. 49.ワインを注いでもらう時は、おいたままでいい。 50.ワインのテストもレストランで一応やらされる。色をみて、香りをかいでノドに  入れて「グッド」でもよろしい。 51.夕食のパーティーあるいは食事の招待等では、どんな形式かよくわからないので、  必らずネクタイの有無を確認する方がいい。 52.パーティーに出席する靴は、メッシュでもかまわないようである。 53.見学等で出掛けるときは、ズック靴等でホテルの中を歩いてもかまわないようで  ある。 54.チップは、ボーイが部屋迄荷物を運んだ場合、メイドがベッドメーキングをした  場合、ボーイに部屋に何かを運んでもらった場合等が主なものであるが、団体行動   の場合、部屋への荷物運搬に対して纏めて旅行業者が払うことがあるので、あらか   じめきいておくこと。   この場合でも、メイド、部屋へのオーダーは個人で払うことが多いので、区分を   きいておくこと。 55.チップの額は、あらかじめ団長、旅行業者にきいておく方がいいが、一般に日本   円で100〜150円の間と考えてよい。 56.チップを払う小金は、いつもあらかじめ用意しておくことが望しいが、どうして  もない場合は止むを得ず払ないこともある。   その場合は次の日に、その分を払ってもいいし、欧米でもチップは少なくなって  いるようである。 57.短い旅行なら靴は1足でも十分ではあるが、見学等がある場合も考えてズック等  でもいいので代え靴を持っていくと便利である。大低の人は持っている。 58.出張期間が長い場合、住所録をもっていくと便利である。 59.小包みは、自分では書類はかけないようです。現物をもって郵便局へ行って、  書いてもらう方がいい。   書籍のみ送る場合は、安くなるのでその旨明記するとよい。 60.見学のとき、教会に行くことがあるが、帽子をかぶっている場合は、とる必要が  ある。