チョウセンアカシジミ

7万年前、中国東北部やアムール地方にチョウセンアカシジミが住んでいた。
氷期になって、気温が冷えて、えさもなくなってきたので、暖かいところを求めて
南の方に移動してきた。

朝鮮半島をだんだん南に下っていった。このとき、氷期だったので、朝鮮半島と
九州の間の朝鮮海峡はなくなって陸続きだった。

そこで、チョウセンアカシジミは九州にたどりつき、寒い氷期を生きのびることが
できた。この氷期は6万年ほど続いたが、およそ1万年前に終わり、こんどは
が気温がどんどんあがりはじめた。

涼しいところが好きなチョウセンアカシジミは、こんどは、氷期のときとは逆に
涼しいところを求めて移動し始めた。
以下の3グループに別れて移動していった。
・まず、朝鮮半島を通って北へ向かった。もと住んでいた中国東北部やアムール地方に
 移っていったグループ。
・日本列島を北へ北へと向かった。そして岩手県に移っていったグループ。
・九州地方から、涼しい山の頂上をめざしてのぼっていったグループ。
 朝鮮海峡にあるチェジュ(済州)島のハンラ山(1950m)の中腹に残っている。

根口 勉:葛巻の自然(退職記念誌)、1994年3月