ねずみ男の役割


鬼太郎の成功はねずみ男にあり
漫画の主人公はいいことばかりやっていると、話が面白くならない。
悪いことも少しやっていいということにすると、面白いストーリーができる。
いいことばかりやって感心するようなストーリーは、やがて人気がなくなる。
「墓場鬼太郎」の頃の鬼太郎は、多少は悪い子だった。
ところがアニメの鬼太郎は、いつのまにかいい子になってしまった。
制作する側が、悪い子を主人公にしてケチをつけられちゃたまらんというので、
どうしてもいい鬼太郎になりがちになる(スポンサーやテレビ局はいい子の主役をのぞむ)。
でも、それだけでは、面白くなりかねるところがある。

そこでがんばってくれたのが、ねずみ男だった。
汚い役とか悪い役、ずるい役を、ねずみ男が全部一括して引き受けてくれた。
アニメの鬼太郎が面白くなったのは、ねずみ男のおかげといえるだろう。
鬼太郎の成功は、ねずみ男の成功である。
 カネや欲望に忠実で、それがために鬼太郎一家と敵対することもあるねずみ男
 徹底的なリアリストで、夢想家や理想主義者に対しては手厳しい意見を言うことがある。
       水木しげる「ゲゲゲの人生 わが道を行く」NHK出版

   アンパンマンの敵役 「ばいきんまん」も 同様のキャラクター