2001.2.1 静岡県焼津上空で、羽田発那覇行き日航907便と、釜山発成田行き日航958便が ニアミス。 負傷者42人の羽田発那覇行き907便のW機長は、弁護士に付き添われ 東京航空署で事情聴取を受けた。 国土交通省航空事故調査委員会の調査結果は以下の通り。 ・事故原因は、訓練中の管制官(26歳)が、907便と958便 を取り違えて指示を出したこと。 ・そして、両機の機長の危機回避の判断ミスもあった。 ・907便は目標高度1万2千メートルで上昇中、管制官は両機の 異常接近に気づき、958便の高度を下げようとして、誤って、上 昇中の907便に降下せよと指令した。 ・この指示で、両機は急接近した。 ・衝突防止装置(TCAS)の警報で、上昇の指示が出たが、907便はそのまま降下した。 ・958便にも警報があったが、こちらはTCASの降下の指示どおり降下した。 ・両機は降下して高度1万千メートル付近で交差、わずか10メートルですれ違う。 ・ニアミス直前に、958便のA機長の判断で降下を中止したから衝突をまぬがれた。 ・TCASは双方のコンピュータが情報交換しながら衝突防止の指示を出す。 ・TCASは958便に降下、907便に上昇を指示した。TCASの指示に 従わなかったのは907便(管制官は降下と指示したから) ・管制官は水平飛行中の958便を降下させ、907便の下を通過させるつもりで、 間違って(958便でなく)907便に降下せよと指示した。 ・907便は、間違った指示を出した管制官にしたがって降下を続けた。 ・958便は管制官からの指示が聞き取れず、TCASの指示にしたがい降下したが、 危機一髪のところで機長判断で降下を中止した。 訓練中の男性管制官(26)を指導するべき教官役の女性管制官(32)も あわてていたらしい。 彼女は958便を957便と言ったり、907便を908便と言ったり、 958便を908便と言った。これらは記録に残っているのだが、 当の2人の管制官は気がつかなかったようだ。 管制官が、間違って(958便でなく)907便に降下せよと指示してから、 ニアミスまで約50秒。 2人の管制官も、当事者の2つの飛行機の機長も緊張したことだろう。 今度のニアミス事件、直接は管制官の勘違いで 本来降下すべき飛行機の代わりに、別の飛行機に降下するように指示したのが原因だが、 最後は機長の判断で危機を免れた。
そもそも、管制官が上昇中の飛行機に、急に降下せよと指令したとき機長は
疑わなかったのだろうか。聞き直すべきだったのではないか。
今どきの若い人の言葉「マジっすか」これに相当する専門用語はなかったのだろうか。