音声入力 水上勉の体験記

音声入力コンピュータを使って文章を書こうとしている水上勉の体験記が
新聞に出ていました。

彼は心筋梗塞の後に、筆圧のため手で漢字を書くよりワープロの世話になっていたという。
ところが右目が網膜剥離、右目が白内障で手術後も眼の
ハンディキャップをもったので、障害者に福音という宣伝文句にひかれ、
音声入力コンピュータを買って使ってみた。

これが実はとんでもない苦労だった。
その苦労たるや、とてもワープロの比ではない。

まずマニュアルが読みにくい。わかりにくいし、その通りやっても動かない。
画面に出る「あいうえお」をかなり大声でコンピュータに向かって叫ばないと
いけないのだ。それも300回も繰り返して、自分のしゃべったことが
文字になって出てくるのにつきあわなければならなかった。

障害者が使うのだから、もっと大きな読みやすい字で表示してほしい。
彼はとても怒っているように思われた。
使いやすいコンピュータを作るのには、技術者は障害者のそばで
彼らの率直な意見や感想を聞きながら設計していかなくてはならないだろう。

朝日新聞 平成11年2月2日を参考にしました。