人間は何年生きられるか。

ほ乳類はみな、息を一回吸って吐く間に、心臓は四回鼓動する。 すべてのほ乳類は、一生の間に心臓は20億回打つという。 つまり一生の間に約5億回、息をスーハーすることになる。 ネズミの寿命は数年、ゾウは100年。どちらも心臓は20億回鼓動する。 安静時のエネルギー消費量つまり標準代謝量は体重の3/4乗に比例する。 体重が2倍になってもエネルギー消費は1.68倍にしかならない。 体重が100倍になればエネルギー消費は32倍。 体重が1000倍になればエネルギー消費は178倍。 体重が10000倍になればエネルギー消費は1000倍。 ゾウ(体重4トン)とハツカネズミ(体重40グラム) 体重差は10万倍だがエネルギー消費は5600倍にすぎない。 ゾウのエネルギー消費の増加は、体重増加の1/18しかない。 (エネルギーを効果的に使用) 同じ種類の恒温動物なら、寒い地方に住む個体ほど体が大きい。 体の大きいものほど、体重当たりの表面積が小さいから、 熱の逃げる割合が少ない。  体重は体積に比例し長さの3乗に比例する。  表面積は長さの2乗に比例する。

本川達雄:ゾウの時間ネズミの時間 中公新書