キルギスで発見された鳥の祖先

羽のある恐竜の化石

 【毎日新聞 東京新聞夕刊 日本経済新聞 2000.6.23】
中央アジアのキルギスの約2億2000万年前の地層から
鳥によく似た羽をもつ小型爬虫類の化石が見つかったことが、22日発売の米
科学雑誌「サイエンス」に発表された。

これは、いままでの最初の鳥類とされる化石よりも約7500万年古い。
この研究グループは、この化石が鳥類の祖先であり、恐竜とは進化上の関係はない
と判断した。
これが認められると、鳥類が恐竜から進化したとする今までの学説が見なおされる。

この化石は中生代三畳紀の地層から1969年にソ連の昆虫学者により発掘された。
当時の研究者は、化石の背部にある羽条のものを羽ではなく、長く伸びたうろこで
あると考えた。この化石はモスクワの商店街にある博物館に展示されていた。
昨年、米ミズーリ州で開かれたロシア化石展に出品されたときに、
オレゴン州立大のテリー・ジョーンズ博士が見て羽に気がついたという。

「ロンギスクアマ・インシグニス」とよばれるこの爬虫類は、全長10cmで
トカゲに似た形をしている。
羽の付け根の部分はいくつかの構造に分かれており、現代の鳥の付け根部分に似ている。
この部分の筋肉は十分に発達していないため、飛ぶことはできず高いところから
滑空していたと思われる。胸部や頭部も鳥に類似しているということである。