公務員試験(教養試験)にみる地学の問題と解説
地震波の伝わり方について述べた文章の中で、誤りのあるのはどれか。 a P波(縦波)のほうがS波(横波)より伝わり方が速い。 b P波は液体中、固体中どちらも伝わる。 c S波は固体中しか伝わらない。 d 地表から深さ2900kmのところの不連続面の内側(核の部分)にはP波もS波も伝わらない。 P波(primary wave)の速度はS波(secondary wave)の速度の約1.7倍である。 P波は固体でも液体でも伝わるが、S波は固体中しか伝わらない。 答え d 次にあげた地形とその地質的原因の組合せのうちで、誤りのあるのはどれか。 a リアス式海岸 氷河期にできた谷に海水が侵入する b 扇状地 河川の山地から平野への流出 c カルスト地形 雨水による石灰岩の溶解作用 d カール 氷河の出発点における氷河浸食 リアス式海岸は河川によってできた谷が海水中に沈降してできたものである。 氷河期にできた谷に海水が侵入してできたのはフィヨルドである。 答え a 地質時代の説明文のうちで正しいものはどれか。 a 生物が出現したのは古生代である。 b テーチス海ができたのは新生代である。 c アルプス造山運動がはじまったのは古生代である。 d 古生代の日本はほとんどが海であった。 生物が出現したのは約35億年前の先カンブリア時代である。 テーチス海は、古生代二畳紀から中生代にかけて、北のユーラシア大陸と南のゴンドワナ大陸 の間にできた海である。アルプス造山運動は中生代末にはじまった。 答え d 次の記述のうちで正しいものはどれか。 a 今から約20億年前の先カンブリア時代には、海はなく大気中に酸素もなかったから、 バクテリアのような生物しか生存していなかった。 b ナウマン象の化石は、日本の新生代第三期の氷河時代の地層から見つかる。 c 世界的には、石炭は古生代石炭紀のシダ植物や被子植物がもとになってできたものである。 d 第四期は人類の発展した時代で、アウストラルピテクス→ホモ・エレクトス→ ホモ・サピエンスという順序で出現している。 初めての生物は先カンブリア時代の海に発生した。ナウマン象は第四期の生物である。 石炭期にはまだ被子植物は出現していない。 答え d 次の日本列島の地質構造に関する説明文において(ア)〜(エ)にあてはまる記述として 誤っているものはどれか。 日本列島は、フォッサマグナの西の縁の(ア)構造線によって、東北日本と西南日本に 大別される。さらに西南日本は(イ)構造線によって、北側の内帯と南側の外帯に分けられる。 そして、東北日本には(エ)が、西南日本には(オ)が特徴的に分布している。 a ア 糸魚川−静岡 b イ 本州 c ウ グリーンタフ d エ 花崗岩 (イ)の構造線は四万十帯構造線である。 答え b 地球が自転していることの証拠となる現象は次のうちどれか。 a 昼と夜が交互に繰り返される。 b 星が東よりの空から出て、西よりの空に沈む。 c 北半球では、振子の振動面が建物の床に対して時計回りに変化していく。 d 日食や月食が起こる。 aやbだけでは地球の自転している証拠にはならない。cはフーコーの振子によって 証明される。dは地球の自転に関係なく起こりうる。 答え c