【恐竜とほかの爬虫類の違いは】
恐竜の決定的持徴は、直立できる体の構造を持っている点だ。
この特徴は、骨盤の形から知ることができる。
恐竜以前の爬虫類では、骨盤の大腿骨(だいたいこつ)がはまる部分
かんこつきゅう(寛骨臼)が、貫通した穴になっていない。
しかし、恐竜になると、これが慣通した穴になっている。これによって、
恐竜は、まさに足腰がしっかりし、直立できるようになった。
骨盤に寛骨臼の入る穴があいていると、直立できて進化したことになる。
なるほど!
こうした形の骨盤は、関係が近いとされる鳥にも受け継がれている。
逆に現在生きているトカゲやワニの骨盤は、穴になっていないで
くぼみになっているだけ。
だから、彼らは腹ばいで動くことになり、すばやい身動きができないのだ。
だから、同じ中生代に栄えたグループでも、空を飛んだ「翼竜」や
ネッシーのモデルや「のび太の冒険」の「首長竜」や
イルカのように海を泳いだ「魚竜」は、いずれも今日の恐竜ではない。
直立できる骨盤を持っていないからだ。
また恐竜の直系祖先だった主竜類では、まだ、骨盤はくぼみのままだったが、
大腿骨の向さなどが少し直立に近付き、中腰で歩くことができた
と考えられており、ちょうど恐竜へ進化する過渡的な状態だったと言える。
(大恐竜展 讀賣新聞 1998年6月28日)
国立科学博物館と讀賣新聞社が共催なので