フランス語と日本語 母国語もっと大事に
                 籠島みえ

(岩手日報 平成10年8月11日)に出ていました。 この方は宮古市出身、画家、パリ在住なのです。 以下に私の解説メモを紹介します。  最近、日本からきた若い人と話をすると内容のわからない言葉が多いそうです。 それは、日本では次から次へと新造語や流行語ができ、泡のように消えていくからだと いいます。外来語も制限なくどんどん日本語化され省略化されていくと嘆いています。  それに対して、フランス人は自国語を大切にします。外来語はフランス学士院で 審査してからでないと公用語として使えないのです。  だから、原則として外来語を使わずフランス語をあてようとします。 たとえば、フランス語でカメラは「写真の機械」、タイプライターは「字を書く機械」 と言うそうです。  ドイツ語もいちおう、外来語に相当するドイツ語を作っているようですが、 使うドイツ人が適当に判断して使うので、外来語が結構使われているようです。 それでいてドイツではフランスのように外来語を使って罰せられることはありません。  しかし、交通が発達し経済や文化の交流が盛んになると、外来語が浸透していくのも さけられないのでしょう。  現にウォークマン、カキ、シイタケ、盆栽、空手などはフランス語になって いるそうです。  この人は、たまに日本に帰るとJR悠湯紀行、車のセールの大感車祭、超激辛など という宣伝文句やスポーツ新聞の記事に驚き、違和感を感じているようです。  私など、これは掛詞の伝統ではないかとも思うし、漢字を使って言葉の意味を広げる 一種の知的ゲームと思うのですが。私も日本語を大事にしていない人間なのでしょうか。