青酸カリ 毒物宅配事件

東京都杉並区の無職女性(24)が青酸カリで自殺した 「毒物宅配事件」で、札幌市北区の元塾講師(27)=15 日に自殺=が送付した青酸カリは、平成9年2月に札幌市内 の薬品会社から購入していたことが28日、警視庁捜査一課 と高井戸署の調べで分かった。 調べによると、元塾講師は自分の免許証などを提示し、 シアン化カリウム(青酸カリ)5グラムを660円で購入。 同時にけいれんを抑えるとされる薬物も貿ったという。 捜査一課などでは今回の事件で青酸カリ約7.26グラム と水溶液を押収していることから、別の入手先についても 調べている。また元塾講師は売買で使用した携帯電話の契約 や銀行口座を開く際、パソコンで偽造した健康保険証を使って いた疑いが強いこともわかり、裏付けを急いでいる。 調べによると、元塾講師は杉並区の女性に青酸カリを送付した 封筒に携帯電話の番号を記載していたが、電話は父親の名前で 契約。購入者に金を振り込ませた銀行口座を開設する際にも 架空の名前を使っており、いずれも保険証を提示していた。 捜査一課などでは、自宅から押収したCD−R(書き込み可能な コンパクトディスク)などに保険証偽造に使われたソフトが 入っているものとみて解析を進めている。元塾講師は、自分の ホームページに「死ねる薬物が欲しい」などとメールを送信して きた相手に対し、個別に電子メールで「青酸カリがある」などと 購入を持ちかけていたことも新たにわかった。

甘すぎる毒物規制

東京都杉並区の無職女性(24)が、宅配便で送られてきた青酸カリ を飲んで白殺した「毒物宅配事件」。インターネットという最新の 通信手段を媒介にして自殺が連鎖し、送り主の塾講師の男(27)も自 殺していたことがすでに判明している。 一定の手続きさえ取れば毒物が簡単に入手できる日本社会の現状と、 自殺志願者の死への執着が、一点で結びついたところに今回の事件が 起こったようだ。 これまでの警視庁の調べによると、札幌市内に住む 塾講師の男は昨年2月、自分の運転免許証などを提示 して札幌市内の薬品卸会社から青酸カリ5グラムを660 円で購入。青酸カリを一人につきカプセル6錠(約3グラム)、 7人で約21グラムを送付していた。札幌市内の 卸会社で購入した5グラムのほかに少なくとも約16グラム の青酸カリを別の会社から入手していた可能性がある。 毒劇物を会社で購入する場合、その会社には「毒劇 物取扱責任者」の試験に合格した者を置くことが義務 づけられている。しかし、個人が青酸カリを購入する 際には、塾講師のように運転免許証や健康保険証な どの身分証明書を提示、毒劇物の譲り受け書に住所や 氏名などを記入するほか、使用目的を販売会社に伝え るだけで入手できる。 北海道庁によると、道内には約3000の毒劇物を扱う 販売業者がある。塾講師は携帯電話の契約時に偽造し た健康保険証を使っていたうえ、自宅から押取された フロッピーには偽造中の健康保険証のデータが残されていた。 警視庁幹部は「毒劇物の取り扱いに対する規制が甘 すぎる。とくに個人で入手しようという場合には、 個々の販売会社による判断だけでなく、何らかの公的な 審査が必要ではないか」と指摘する。 青酸カリを購入したことが判明した7人は、いずれ も死と毒物に強く依存していることがうかがえる。 都内在住の二十歳代の主婦は、自らもホームページ を開設し、同じ悩みを持つ人との交信を続けていた結 果、青酸カリが買えることを知った。 この主婦は事件が発覚し、すでに大きく報道され ている最中の26日に生存が確認された。警視庁で は毒物鑑定のため青酸カリの任意提出を求めたが、 「これは私のお守りだから手放したくない」と拒否。 カプセルを持っていることで「いつでも死ねる」とい うある種の安心感を抱いているらしい。 今年8月に青酸カリを購入し、飲む直前で父親に止 められた練馬区の女性も、執拗(しつよう)に青酸カ リを求めていた。 この女性は、父親に止められ青酸カリのカブセルを 一度は取り上げられたが、再び毒物を入手することを 計画。その結果、ホームページを開いていた二十歳代の 主婦が同じように購入していたことを知り、主婦にメ ールを送って再び青酸カリを入手していた。主婦はこ の女性に譲ったため、7人の中でただ一人だけ、塾講 師から2回購入している。 札幌市の元塾講師(27)(12月15日青酸カリ自殺)に現金振り込みをした人たち   愛知県の女性(31)  青酸カリ提出   練馬区の女性(21)  一度購入後、取り上げられ、練馬区の主婦から買う   茨城県の男性(24)  青酸カリ提出   練馬区の主婦(29)  2回購入・一部を練馬区の女性に売る   埼玉県の男性(25)  青酸カリ提出   杉並区の女性(24)  青酸カリで自殺(12月12日)・練馬区の女性が仲介   足立区の主婦(21)  睡眠薬で自殺(7月3日)   千葉市の大学生(22) クロロホルムなど受取る   練馬区の女性は15日に自殺した杉並区の女性に仲介した。    練馬区の女性は父親に取り上げられたので練馬区の主婦から買った。 (産経新聞 平成10年12月29日 & 朝日新聞 平成11年1月28日)

          

元塾講師は「ドクター・キリコの診察室」という名前のホームページを開設し、
自殺用の毒物を販売していた。

自殺した杉並区の女性は、練馬区の女性と病院で知り合い、インターネットで
自殺用の毒物を注文できることを教えてもらったが、自分で注文するのは
面倒くさいと話したので、練馬区の女性が代わりに注文したという。

4月に、茨城の男性にも青酸カリを郵送していた。この男性宅に、米粒ほどの白い
結晶と黄色い液体、液体が凝固した茶色の薬品が送られてきたが、母親が
受け取っていて本人には渡さなかった。警視庁科学捜査研究所で調べたら青酸カリと
わかった。この男性は他の7人と違い、振込口座は同じ銀行の別の支店にあった。

インターネットを使うと使うまいと、武器や毒物の取引は違法行為です。
インターネットを使っても罰せられます。きっと。
こういう事件は、インターネットの発展にマイナスですね。
匿名ユーザー対策の法規制を望みます。