新スカートの風  呉 善花

ご存じ日本通の韓国女性の日韓文化比較
このシリーズの3巻目、ますます冴える。

この本は書き下ろしではなく、あちこちの雑誌に載せた原稿をまとめた
いわゆる評論集である。ここまで書けるようになった作者の努力はすばらしい。
本人も満足しているようだ。

日本人の喜びそうな内容になっているので、売れると思う。
こういう考えの韓国人もいるということだ。
でも、他の韓国人の本も読む必要があるだろう。

日本人の中位主義と韓国人の黒白主義  日本人はあいまい性が好き。つまりアナログ的  韓国人は敵か味方かはっきりさせたがり、あいまい性を嫌う。デジタル的といえよう。 韓国人の長所  家族・身内を大切にする 義理がたい 一本気 情熱的 誇り高い 率直 韓国人の短所  見栄っ張り 自己顕示欲強い 権威主義 自己主張強すぎる すぐ熱くなる 韓国人に「その言い方は心憎いね」と言ったら、「憎らしいことを言う」と誤解されかねない。 外国人と母国語で話すときは、自国の独特の言い回しはできるだけしないように 気をつけた方がよい。 が、それを気にしすぎると話に味がなくなり、情緒豊かな心の伝達に支障をきたす。 そして、親しくなればなるほど、そういう気遣いが意識から薄れてくる。 本の表紙に載せる写真のため、何枚かポートレートを撮ってもらった。 日本の本に使われた写真は、顔いっぱいに笑っているものだった。 そして、韓国の本に使われた写真は、一番すました写真が選ばれていた。 韓国のインテリのルーツは、李朝時代の両班にある。 韓国の3D Danger, Dirty, Difficult 普通の仕事より3〜4倍の給料を得られるが、なり手が少なく慢性的に人手不足。 中国から労働者を受け入れている。 韓国の大学出は他に職がなくても、3Dにはつこうとしない。 3Dには「みっともない、恥ずかしい、卑しい」というイメージがつきまとう。 韓国からの友人を連れて秋葉原に電気製品を買い物に来たとき、入口でマイク片手に客引きの 若者が、韓国人の客を見ると自分も大学時代に韓国旅行をしたことがあると 話すと、友人はあっと驚ろいた。韓国では大学卒業者が、客引きの仕事はしない。 韓国人相手のマッサージ女性がいつも客の韓国人から差別的な言葉と侮蔑的な態度に 我慢してきたが、紹介され日本のエステ・サロンに職場を変えたところ、 回りのマッサージ嬢や日本人客から、その熟練した技を誉められ 先生と呼ばれるようになって、すっかり日本に来たことに満足するようになったという。 韓国では技術者の地位は低いが、日本はある程度技術は評価される社会である。 知り合いの日本人の男から声をかけられた韓国人の娘。 彼に好感を持っていたので、彼女は自分をより魅力的にみせるよう努力した。  好きだと言われたら、黙ってうつむく。  最初のデートを当然断る。  2度目も3度目も断る。  4度目に彼はおそるおそる弱腰で誘う。  身持ちが堅い女としては崩れられない。  もう一度誘われたら、今度こそは崩れてあげよう。  しかし、それから彼は誘わなくなった。 彼女の態度は韓国人としては完全なものであった。 ・彼は断られても執拗に彼女を誘うべきだった。 ・彼女は、彼の誘いを受けてその喜びを率直にあらわすべきだった。日本の女ならそうしたろう。 韓国の最高の徳目は「孝」 儒教の孝とは、両親や祖先に対する孝と同時に、結婚して家系を継ぐべき男子を産むこと。 日本の最高の徳目は「忠」 家族(孝)よりも会社(忠)を優先しがち。 日本の家族制度は、非血族を含む家の存続である。血統よりは家の存続が大切。 論語 羊を盗んだ父親の罪を正直に訴えた息子 孔子「父は子のためにその罪を隠し、子は父のためにその罪を隠す」 戦前、韓国の抗日戦線部隊が、日本軍の背後に迫りあと一歩で全滅できるとき 隊長の父親が亡くなり即座に部隊を引き上げ三年の喪に服した。 この隊長は韓国では孝をつくした立派な人と尊敬される。 【日本が成功した原因は、第一に中国大陸から離れた島にある。 第二にその立地を生かして工業化を推進するのに世界情勢が好都合に作用したことにある。 日本は天の恵みである自然条件により大きな得をしてきた。もちろん日本人自身の努力は 大きいが、自然の好条件に恵まれ、それを生かすことのできた国際情勢を忘れては いけない。したがって日本の使命は、自然条件の有利さで得た富や技術を、 自然条件の不利のため不遇であった他のアジア、アフリカの人々の繁栄に使うべきである。】 これが日本的な倫理観であろう。 ところが、アジア諸国とりわけ韓国では、「日本の努力」を評価せず、「日本の自然条件」 を協調したがる。その結果、自分たちの努力を誇示したい韓国人は、日本の努力を 無視したがるのである。 著者の知るビジネスマンの多くはアジア諸国の人々にうんざりして、しばしば「日本の努力」 を自ら強調してしまうそうである。その気持ちを理解できるようになった著者は 日本人が、日本人の努力を「言いたくなる相手」として韓国人が多いということを聞いて 韓国は不幸だと結んでいる。