ゲミュートリッヒ

新渡戸稲造
あんがい知られていない明治の国際人。
こちらには胸像も石碑もあるのに。 五千円札
英語の教材で専門の論文だけ読むのもつまらないと思い
武士道の原文の一節をみんなと読むことにしました。

武士道を Bu-shi-do と言語のまま使うのは、固有の性格をもつ言葉は
翻訳困難でまた無理に訳すと正確ではないからと書いてある。
そして、そういう例としてドイツ語の Gemuet(uウムラウト)をあげている。

ドイツ人は gemuetlichが大好きと言われる。翻訳不可能とよく言われる。
私も正確な意味はわからない。落ち着いた居心地のよい気持ちをいう。

ドイッチェス・ゲミュート
Gemuetをどこかで読んだはずだと
小塩先生のコーヒーブレイクを読み直したが、ちょっとしか書いていない。
では昔の基礎ドイツ語で読んだのかと思った。

少したって、もしかしたら江藤恭二氏のドイツのこころ(講談社現代新書)
に書いてあったかもしれないと思った。
この本は昭和55(1980)年に発行され、私が買ったのは昭和57(1982)
年発行の第2刷であった。
たぶんドイツから帰ってきて買って読んだものであろう。

見てみると、やはり書いてあった。
ゲミュートとはドイツ的な表現で、この言葉を十分に理解しえたら
ドイツ人の特徴をある程度つかみとることになる。
 快適な、のびのびとした、気分のよい状態

江藤氏は例を上げて「一日の仕事に疲れて家庭に帰ると、家人はにこやかに迎え、
暖炉の火は燃え、のびのびと安らかで寛(くつろ)いだ気持ちになる」と説明している。

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