コウノトリ目トキ科の鳥。全長約75cm。 全身ほとんど白色、風切羽や尾羽などが独特の淡赤色を帯びている。 この赤色をとき色と呼ばれる。 日本では明治の中ごろまでは全国各地にかなりふつうだったが、 昭和になって新潟県佐渡島と石川県能登半島で少数が繁殖しているだけとなり 絶滅した。 しかし、1981年に中国の陝西省秦嶺山地で繁殖する約11羽が発見された。 日本と中国の保護政策のもとに生息数は徐々に増えている。 山間の水田や渓流にすみ、主としてサワガニ、カエル、ドジョウ、水生昆虫などを食べる。 山地の森林で繁殖し、巣は高い木の大きな枝の上に枯枝を集めてつくる。 1度に産む卵数は2〜3個。 1952年に国の特別天然記念物に指定され、1960年には国際保護鳥にも指定された。 現在中国の協力のもとに人工増殖が試みられており、少しずつ人工ふ化と育雛に 成功している。