かつて東洋一を誇っていた硫黄鉱山である松尾鉱山も
公害規制に対応した工場等の脱硫装置により安い回収硫黄が市場に出回るようになり
ついに昭和47年に閉山した。
旧松尾鉱山から排出される水は pH 2 程度の強酸性で,鉄分を多く含みヒ素も含んでいる。
この結果北上川の色は茶色であった。
2FeS2 + 7O2 + 2H2O → 2H2SO4 + 2FeSO4
硫化鉄鉱 酸素 水 硫酸 硫酸鉄
鉄酸化バクテリアによって,坑廃水中に含まれる2価鉄を3価鉄にする。
2H2SO4 + 4FeSO4 + O2 → 2Fe2(SO4)3 + 2H2O
硫酸 硫酸鉄 酸素 硫酸鉄 水
炭酸カルシウムによって,坑廃水を中和処理する。
Fe2(SO4)3 + 3CaCO3 + 3H2O → 2Fe(OH)3 + 3CaSO4 + 3CO2
硫酸鉄 炭酸カルシウム 水 水酸化鉄 硫酸カルシウム 二酸化炭素
沈殿物は貯泥ダムへ送られ,残りは放流される。
(放流水は約 pH 4.1 〜 4.2 となり、ヒ素は 0.01 mg/l 程度)